理想の彼氏の作り方~イケメン王子と愛のクリスマス~
「別に、僕が姫野をどこに連れてこようと勝手だろう?
 なにしろ、コイツは僕の彼女、なんだから。
 そもそも姫野に相手にもされなかったデブは、引っ込んでいればいいさ」

 言って、竜樹先輩はげらげらと笑った。

「……悲しいねぇ。
 外見が、悪いって。
 好きな女には、見向きもされない。
 それに、歌だって。
 どんなに才能があったって、デブ一人じゃ、何にも出来なかったくせに。
 僕と一緒に組んで、初めて。
 ヒトはお前の歌を聞いてくれたんじゃないか」

 莫迦にしたような、先輩の言葉に。

 直人は、唇をかんで、下をむいた。

 でも。

 図星を指されて、声も出ないらしい、直人と一緒に。



 ……わたしのココロもゆれていた。
 
< 71 / 121 >

この作品をシェア

pagetop