モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
颯と結婚すると思っていた。彼と結婚できると、当たり前に思っていた。
警察官は上司に付き合っていることを報告する義務があるから、遊びで付き合うことはない。当然のように付き合いの先に結婚があると思っていた。
そもそも警官は結婚が早いのだ。
独身寮も出れるし、よっぽどのことがなければ遠い場所に転勤になることもない。同じ部署では働けないが、それは恋人の時も同じだ。
あかりも今年で二十八歳。颯は三十歳で結婚適齢期だ。付き合いも二年程。更に颯はこの間警部補の昇進試験に合格して出世したばかりだ。
タイミングとしてもそろそろ結婚の話が出ると思っていた。でも颯はいつまでたってもそんな素振りを見せなかったのだ。
しびれを切らしたあかりが将来どう考えているかを追求しても、煮えきらない返事しかしない。
散々考えて苦しんで、やっとのことで結婚が考えられないなら別れると切り出したあかりに、颯は「仕方ないな」と、一言口にしただけ。
それで颯との関係は終わったのだ。