泡沫


 太陽光を浴びて、きらきらと海の青と波の白が明滅する。

 その海に君と飛び込む。

 君と両手を取り向かい合いながら、こぽこぽと沈んでいく。

 まっすぐに私を見つめる君の瞳。

 私もまっすぐに君の瞳を見つめる。

 海底に伸びる金色の太陽光の筋を辿るように。

 私たちはこぽこぽと沈んでゆく。

 それとは逆に昇っていくシャボンのような泡たち。

 だんだんと濃くなってゆく青。

 見つめる君の瞳に吸い込まれるように。

 君の唇にくちづけする。

 こぽこぽと昇るシャボン。

 沈んでゆく私と君。

 唇を重ね。

 身体を寄せあいながら。

 海の底へと沈んでゆく。

 泡沫の刻を君と交わす……



< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop