失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
「ただ、妻がいたから沢田もボロを出したんだ。妻がいなかったら、余計な会話はしなかっただろうからな」
嘘をついたとき、たいていの人間はそれを隠すためにさらに嘘を重ねる。もしくはひたすら黙秘するかだ。沢田は未可子の存在で前者の対応を取った。俺が話し相手では、ああはならなかっただろう。
「鷹本さんの奥さん、いつかぼくもお会いしたいですね。何事にもドライで厳しい鷹本さんをここまで夢中にさせるなんて」
わざとらしい言い方に、彼を一瞥する。しかし金平はまったく意に介さない。
「ただ、お会いするのは当分、先にはなりそうですね。しばらく忙しくなりそうですから」
それは同意せざるをえない。部長に呼ばれ、席を立つ。
先ほど未可子から無事に帰宅した連絡を受け、小さく胸をなで下ろす。我ながら過保護だと思うが、未可子は特別だ。
本当に竹内局長の娘に余計なことを言われていないのか。彼女はプライドが高く、どう考えても未可子に友好的に接するとも思えない。
夕飯はどこかで一緒に食べて帰ろうと話していたが、それは叶えられなかった。
未可子は今、ひとりでどうしているのか。
俺らしくない。けれど、嫌ではない。
早く帰りたいと思うのも、未可子と結婚したからだ。
嘘をついたとき、たいていの人間はそれを隠すためにさらに嘘を重ねる。もしくはひたすら黙秘するかだ。沢田は未可子の存在で前者の対応を取った。俺が話し相手では、ああはならなかっただろう。
「鷹本さんの奥さん、いつかぼくもお会いしたいですね。何事にもドライで厳しい鷹本さんをここまで夢中にさせるなんて」
わざとらしい言い方に、彼を一瞥する。しかし金平はまったく意に介さない。
「ただ、お会いするのは当分、先にはなりそうですね。しばらく忙しくなりそうですから」
それは同意せざるをえない。部長に呼ばれ、席を立つ。
先ほど未可子から無事に帰宅した連絡を受け、小さく胸をなで下ろす。我ながら過保護だと思うが、未可子は特別だ。
本当に竹内局長の娘に余計なことを言われていないのか。彼女はプライドが高く、どう考えても未可子に友好的に接するとも思えない。
夕飯はどこかで一緒に食べて帰ろうと話していたが、それは叶えられなかった。
未可子は今、ひとりでどうしているのか。
俺らしくない。けれど、嫌ではない。
早く帰りたいと思うのも、未可子と結婚したからだ。