失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
「狐火側でなにかあったのか沢田の独断か。取引中止を判断し、男が邪魔になったから、ああいう形を取ったのだろう。男の持っている情報が少ないのも計算のうちだ。下手に沢田が動かず被害者になったのは、警察にいろいろ探られても取引相手が席をキャンセルして彼女があの席に座った無関係の人間だと思わせるためだ」
「そういえば、実際、その可能性もありますよね?」
ハッと気づいた面持ちで金平が口もとに手をやる。その様子を見て、俺は軽く息を吐いた。
「そうだな。ただ、やはり彼女は無関係な人間ではない。違和感が確信に変わったのは、彼女がひったくられた荷物を警察官から一度受け取ったときだ」
「え?」
当然、その場面を見ていない金平は訝しげにこちらに視線を送ってくる。
「彼女は中身を確認しなかったんだ。封もされていない紙袋で、恋人へのプレゼントがいくつか入っている大事なものだと言ったにもかかわらず、警察官に促されてもだ」
長山さんが私服警察官としてあのショッピングモールを巡回していたのは、最近出所不明の新しいドラッグが若者の間で流行し、手を出す者が後を絶たないそうで、若者が集まりそうな場所を巡回していたかららしい。その件も大きなヒントになった。
金平は肩をすくめ降参のジェスチャーをする。
「まったく。狐火最大の失敗は、あなたが現場にいて関係者になったことですね。それにしても、こちらとしては幸運でしたが、鷹本さん自身は、奥さまとのデート中、災難でしたね」
肯定も否定もせず、別の角度から返す。
「そういえば、実際、その可能性もありますよね?」
ハッと気づいた面持ちで金平が口もとに手をやる。その様子を見て、俺は軽く息を吐いた。
「そうだな。ただ、やはり彼女は無関係な人間ではない。違和感が確信に変わったのは、彼女がひったくられた荷物を警察官から一度受け取ったときだ」
「え?」
当然、その場面を見ていない金平は訝しげにこちらに視線を送ってくる。
「彼女は中身を確認しなかったんだ。封もされていない紙袋で、恋人へのプレゼントがいくつか入っている大事なものだと言ったにもかかわらず、警察官に促されてもだ」
長山さんが私服警察官としてあのショッピングモールを巡回していたのは、最近出所不明の新しいドラッグが若者の間で流行し、手を出す者が後を絶たないそうで、若者が集まりそうな場所を巡回していたかららしい。その件も大きなヒントになった。
金平は肩をすくめ降参のジェスチャーをする。
「まったく。狐火最大の失敗は、あなたが現場にいて関係者になったことですね。それにしても、こちらとしては幸運でしたが、鷹本さん自身は、奥さまとのデート中、災難でしたね」
肯定も否定もせず、別の角度から返す。