失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
対する私は、この年になってようやくできた初めての彼氏に昨年の秋頃に浮気された揚げ句、一方的に別れを告げられた。
どうして私が振られる形になったのか理解できないまま、あんな男はこちらから願い下げだと、彼への想いは秒で消え去った。未練もないし、もともと年齢に焦って勢いに押されて付き合ったという経緯もある。
それがよかったのか悪かったのかはわからない。つくづく自分は恋愛に向いていないと実感し、割りきって結婚するのが一番なのかもしれない。
だから愛し合っている彼と結婚を控えた光希がうらやましいな、と話をまとめようとしたら、彼女が先に口を開く。
「私ね、未可子には本当に感謝してるの。高校の頃、先輩と折り合いが悪くなって部活に行けなくなった私を、もう一度行けるようにしてくれたじゃない」
「どしたの、突然?」
行けるようにした、なんて大げさだ。問いかけると光希は真剣な眼差しでこちらを見てきた。
「だからね、未可子が困ってたり悩んでたりしたら力になるから。誰よりも大事な親友だもん。ひとりで抱え込まないで」
私の性分を知る光希に、すべて見透かされている気がした。
全部、話してしまおうか。一瞬だけよぎったものの光希の心配を吹き飛ばすように笑顔を向けた 。
「ありがとう。なんか不安にさせてごめんね。でも、とくに深い意味はないの、本当」
それから話題を変えて、光希と盛り上がる。
どうして私が振られる形になったのか理解できないまま、あんな男はこちらから願い下げだと、彼への想いは秒で消え去った。未練もないし、もともと年齢に焦って勢いに押されて付き合ったという経緯もある。
それがよかったのか悪かったのかはわからない。つくづく自分は恋愛に向いていないと実感し、割りきって結婚するのが一番なのかもしれない。
だから愛し合っている彼と結婚を控えた光希がうらやましいな、と話をまとめようとしたら、彼女が先に口を開く。
「私ね、未可子には本当に感謝してるの。高校の頃、先輩と折り合いが悪くなって部活に行けなくなった私を、もう一度行けるようにしてくれたじゃない」
「どしたの、突然?」
行けるようにした、なんて大げさだ。問いかけると光希は真剣な眼差しでこちらを見てきた。
「だからね、未可子が困ってたり悩んでたりしたら力になるから。誰よりも大事な親友だもん。ひとりで抱え込まないで」
私の性分を知る光希に、すべて見透かされている気がした。
全部、話してしまおうか。一瞬だけよぎったものの光希の心配を吹き飛ばすように笑顔を向けた 。
「ありがとう。なんか不安にさせてごめんね。でも、とくに深い意味はないの、本当」
それから話題を変えて、光希と盛り上がる。