失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
光輝さんは私の腕を離し、ゆっくりと立ち上がった。見下ろしていた立場から見上げる側になり、こうして並ぶと予想以上の距離の近さに動揺する。
「心配しなくても、俺は基本的に他人を家にはあげない。とくに女性は。あげるとしても、結婚を考えている相手くらいだ」
最後の言葉に衝撃を受ける。あまりにも具体的なのは、やはり彼にはそういう相手がいるのだろう。
『早く結婚したらいいのに』
光希も話していた。
「そう、なんですか」
納得しかけて、矛盾に気づく。つまり私はどういうポジションにいるのだろうか。
「大林大二郎との件はもうなにも心配しなくていい。今日もろもろの手はずを整えた」
「え?」
考える間もなく唐突な話題に耳を疑う。まさか光輝さんの口から大林さんの名前が出てくるとは思いもせず、どういうことなのか理解できない。
「あの男とは今後いっさい関わらなくていい。ご両親の系列店のオープンも遅れたが、予定通りできるよう全面的にバックアップを約束する」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
淀みなく説明を続ける光輝さんに対し、私は状況についていけずにいた。
「どういうことですか?」
「君があの男の息子と、そこまで必死になって結婚する必要はないということだ」
口調は淡々としているが、そんな簡単な話ではないはずだ。でも彼が嘘や冗談を言っているとは思えない。
「もちろん光希には言っていない」
ようやく事態を理解して、うれしさよりも先に血の気が引く。
「心配しなくても、俺は基本的に他人を家にはあげない。とくに女性は。あげるとしても、結婚を考えている相手くらいだ」
最後の言葉に衝撃を受ける。あまりにも具体的なのは、やはり彼にはそういう相手がいるのだろう。
『早く結婚したらいいのに』
光希も話していた。
「そう、なんですか」
納得しかけて、矛盾に気づく。つまり私はどういうポジションにいるのだろうか。
「大林大二郎との件はもうなにも心配しなくていい。今日もろもろの手はずを整えた」
「え?」
考える間もなく唐突な話題に耳を疑う。まさか光輝さんの口から大林さんの名前が出てくるとは思いもせず、どういうことなのか理解できない。
「あの男とは今後いっさい関わらなくていい。ご両親の系列店のオープンも遅れたが、予定通りできるよう全面的にバックアップを約束する」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
淀みなく説明を続ける光輝さんに対し、私は状況についていけずにいた。
「どういうことですか?」
「君があの男の息子と、そこまで必死になって結婚する必要はないということだ」
口調は淡々としているが、そんな簡単な話ではないはずだ。でも彼が嘘や冗談を言っているとは思えない。
「もちろん光希には言っていない」
ようやく事態を理解して、うれしさよりも先に血の気が引く。