失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
「少し意外です。鷹本さんは竹中局長のお嬢さんとの縁談話を受けると思っていましたから」
飄々と告げる金平を一瞥すると、彼は急に慌てだした。
「あ、誤解しないでくださいね。でもここからの昇給は、実力だけではなく上司に気に入られるのも大事じゃないですか。鷹本さん、キャリア志向ですし、出世のためには竹中局長のお嬢さんと結婚するくらいやってのけそうだったので」
「上には行くつもりだ」
金平の言うことは間違っていない。自動で上がってきたキャリアだが、試験があるわけではなくここからは上司の采配が大きいのは本当だ。
上を目指す者にとって、上司の娘を紹介されるというのは、期待をかけられているのと同様だ。
付き合っている彼女を振ってでも、そちらを選んで結婚した人間がいるのも知っている。ましてや俺は、結婚を考えているどころか恋人さえいない状況だった。
何度か竹中局長に、娘を紹介され、彼と娘とプライベートで会う機会を設けられたが、まったく心が動かない。とはいえ打算的に結婚するのも悪くないのかもしれない、と思っていたときだった。妹の光希から突然の連絡があったのは。
『お兄ちゃん。あのね、未可子を迎えに行ってあげてほしいの!』
久しぶりに電話してきたかと思えば、突拍子もない内容だった。〝未可子〟と名前を聞いてすぐに顔が浮かぶ。
最後に会ったのは彼女が高校生の頃だが、直接交流はなくても光希から彼女の写真や近況を聞かされていた。
なにより彼女の存在は自分の中でずっと残っている。
飄々と告げる金平を一瞥すると、彼は急に慌てだした。
「あ、誤解しないでくださいね。でもここからの昇給は、実力だけではなく上司に気に入られるのも大事じゃないですか。鷹本さん、キャリア志向ですし、出世のためには竹中局長のお嬢さんと結婚するくらいやってのけそうだったので」
「上には行くつもりだ」
金平の言うことは間違っていない。自動で上がってきたキャリアだが、試験があるわけではなくここからは上司の采配が大きいのは本当だ。
上を目指す者にとって、上司の娘を紹介されるというのは、期待をかけられているのと同様だ。
付き合っている彼女を振ってでも、そちらを選んで結婚した人間がいるのも知っている。ましてや俺は、結婚を考えているどころか恋人さえいない状況だった。
何度か竹中局長に、娘を紹介され、彼と娘とプライベートで会う機会を設けられたが、まったく心が動かない。とはいえ打算的に結婚するのも悪くないのかもしれない、と思っていたときだった。妹の光希から突然の連絡があったのは。
『お兄ちゃん。あのね、未可子を迎えに行ってあげてほしいの!』
久しぶりに電話してきたかと思えば、突拍子もない内容だった。〝未可子〟と名前を聞いてすぐに顔が浮かぶ。
最後に会ったのは彼女が高校生の頃だが、直接交流はなくても光希から彼女の写真や近況を聞かされていた。
なにより彼女の存在は自分の中でずっと残っている。