恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
匡の両親は結婚に反対せず、夕実ちゃんも諸手を挙げて喜んでくれた。


『やっと眞玖さんをお義姉さんと呼べるようになって嬉しい!』


満面の笑顔で私の手を握りしめ、祝福してくれた。

嬉しくて涙目になる私に、夕実ちゃんが内緒話をひとつ教えてくれた。


『我が家は皆、眞玖さんが兄のお嫁さんになってくださる日をずっと待っていたんです。誰にも本気にならなかった兄が唯一望んだ女性ですから』


『え……?』


『眞玖さんに恋をしてからの兄は人が変わったように、仕事や勉強に努力しだしたんです。だからうちの両親は、結婚に大賛成なんですよ』


夕実ちゃんはフフと可愛い声を漏らす。


『むしろ眞玖さんが結婚してくださらなければ、兄が自暴自棄を起こしそうで家族一同心配していたんですから。我が兄ながら愛が重くて申し訳ないです』


夕実ちゃんの内緒話を聞き、頬にカッと熱が帯びる。

帰国した匡と再会したパーティーを思い出す。

あれだけ勝手な振る舞いをしていても匡のご両親が反対されなかったのは、すべての事情をご存知だったからと思い至った。

私との未来のため努力し続けてくれた匡の気持ちに胸が詰まり、鼻の奥がツンとした。
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