恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
『念のために確認するけど、妄想上の藤宮さんに片想いをしていたのかもしれないとか思ってないでしょうね?』


心中を言い当てられ、スマートフォンを握る指に無意識に力が入る。


『眞玖は驚くほど恋愛に慎重だし、真面目よね。再会した藤宮さんに心がときめいた、でいいじゃない。難しく考えすぎ』


「でも一生に関わる事柄に私の勝手な思い込みや理想を押しつけちゃダメでしょ」


『じゃあほかの知らない男性と一度話してみたら?』


妙に明るい声で蘭が提案する。


『自信がないなら、そのときめきが本物か確認すればいいのよ』


「え……?」


『この間話した、筒見ホテル主催の婚活パーティーで初対面の男性に心惹かれるか確認してみたら? 心が動かなければ、藤宮さんだから恋をしたって証明になるでしょ』


「ちょっと待って、そんな心を試すような真似、男性側に失礼でしょ」


『今回は男女ともにモニターのみの参加に変更したって主催者から連絡がきたの。主旨を理解した割り切っている男性しか参加していないから大丈夫、問題なし』


親友の発言に驚きつつも、少しホッとする。

仕事の延長線上で以前から頼まれていたとはいえ、今の状況で婚活パーティーに出るのは気が引ける。

かといって、今さら断るのは難しい。

けれど、蘭の言い分も一理あると思った。


「……ちょっと考えてみる」


『眞玖、恋は考えてするものじゃないからね』


蘭の言葉が、混乱した頭を少し落ち着かせてくれた。

四年も経ったのに、自分の感情ひとつろくに扱えない自分が嫌になる。











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