恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
そのとき、専務からメッセージが届いた。


【来週の金曜日、匡の帰国祝いをしたいんだが都合はどうだ?】


目にした文章にため息が漏れる。

こういうときに限って断る理由がない。

“友達”としては参加すべきなのだろう。

峰岡くんは仕事から離れた途端、友人として接してくる。

特別視ではなく、旧友として、立場のしがらみは関係なく接してほしいと入社時に言われていた。


【お誘いありがとう。その日は大丈夫】


簡潔かつ正直に返信してスマートフォンをバッグに戻す。

すると、峰岡くんから電話がかかってきた。


『多分昼食になると思うが』


お疲れ様、とかこんばんは、というお決まりの挨拶抜きに話してくる。

峰岡くんは一見物腰が柔らかく穏やかだが、実は強引なところが多い。

似た者同士のふたりが親友なのは納得する。


「お疲れ様です、専務」


『就業時間は過ぎているけど』


一応嫌味のつもりなの、と思いつつ返答する。


「ランチなの?」


『夜は匡が接待の予定が入る可能性があるらしい』


「忙しいのね、新副社長」


『来週末から一旦アメリカに戻るからじゃないか?』


「え……?」


『向こうでまだやり残した仕事があるそうだ。うちが関わっているプロジェクトの件もあるし、ぎりぎりのタイミングなんだろ』


私の心情を慮ってか、丁寧に説明をしてくれる。
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