恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
そんな中、大学で眞玖に出会った。

第一印象は美人だが性格のキツそうな女、だった。

本人は今も無頓着だが、人目を引く外見の彼女は学内では有名だった。

ゼミが同じになり、話すようになるにつれ、最初の印象は覆り色々な眞玖を知るようになった。

人見知りなうえに怖がりで心配性、些細な失敗や言動をいつまでも引きずる。

けれど負けず嫌いで責任感が強く、一度引き受けたものは最後まであきらめずやり遂げる。

思いがけない強さと弱さを併せ持つ眞玖は、俺のなかでいつの間にか“特別”な存在になっていた。

眞玖の魅力に気づいた、俺以外の男との恋路を応援する気はさらさらなく、彼女の傍で周囲を牽制し続けた。


『そんなまだるっこしい真似をせずにさっさと自分のものにしろよ』


爽やかな外見に似合わず策略家の宰は、俺に半ば呆れながらも、応援し協力してくれていた。


『藤宮くんと峰岡くんのせいで、女子からの嫉妬がすごくて迷惑しているんだけど?』


俺の本心を知らない眞玖は、仏頂面でよく文句を言っていた。

こんな発言を平気でしてくるあたり、俺は恋愛対象として見られていないのだろう。

かといって、彼女の気持ちを無視して強引に意識させたいわけじゃない。

少しずつでいいからも俺を“友人”や“ライバル”ではなく、“男”として見てほしかった。
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