恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
すぐに駅前の角の柱に凭れ、黒のパンツに包まれた長い足を軽く交差している匡を見つけた。

カーキ色のブルゾンを羽織り、伏し目がちにスマートフォンを操作している。

少し離れた場所にいる彼をじっと見つめる。

ふいに頭を上げた匡に、行きかう女性たちの足がさらに止まり注目も増す。

けれど彼はそんな視線を気にも留めずに、周囲を見回す。


「ーー眞玖」


匡がふわりと相好を崩して私の名前を呼んだ瞬間、近くにいた女性たちが一気にざわめく。

突き刺さる視線が居たたまれず、思わずうつむく。


「――可愛いな」


突如耳元近くで響いた甘い声に驚き、顔を上げれば、いつの間にか移動したらしい匡がいた。


「仕事のときの服装も似合ってるけれど、こういうのも可愛いな」


「え……あの、可愛くなんて……匡のほうがカッコいいでしょ」


慌てて答えた私を匡が長い腕で引き寄せ、胸の中に抱きこんだ。


「ちょっと、匡? どうしたの?」


「眞玖……会いたかった」


掠れた声で名前を呼ばれ、さらに強く抱きしめられる。

切なさの交じった声に、胸の奥が甘く疼いた。
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