契約不倫~主人の子供を産んでもらえますか~

1話 告白

こうして、自分のPCに向かっている時でも、その人の吐息が伝わってくる。

「ここは、もっと分かりやすくした方が、先方にいい印象を与えるな。」

「はい、部長。」

その落ち着いた声。

聞いてるだけで、心が躍る。

「立花さん。」

「はいっ!」

振り返ると、部長の笑顔が見えた。

「仕事は順調?」

その優しい言葉に、心がほっとする。

「はい。ありがとうございます。」

「だったらいいんだ。」

そしてまた、自分のPCに向かう。

部長の笑顔に、背中を向けるのは正直嫌だ。

そしていつからだろう。

私が平塚部長に、恋をするようになったのは。


あれは偶然だった。

それまでは快晴だったのに、いつの間にか雨に降られていた。

「あーあ。傘、忘れたな。」

雨が止むまで、ビルの前で待ってようと思っていた。
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