先生、それは取材ですか?
「……どうしよう……」
机に突っ伏しながら、私は頭を抱えていた。
編集長から言い渡された、取材を活かした原稿。
つまり、あの夜のことを漫画に落とし込めという、死刑宣告。
「……これ、どうやって描けばいいの……」
脳内であの夜のことを思い出して、顔が熱くなる。
橘の顔、近すぎた。
声、低すぎた。
あと、触れた感触が……///
「~~~っ!!」
バンバン!と机を叩いて、雑念を振り払う。
「違う! 仕事! これは仕事だから!!」
冷静になれ私!! これはあくまで創作のための取材!!!
……と、自分に言い聞かせるけど、手が震えてペンが持てない。
「……もう無理……」
私は机に突っ伏した。