今日はあなたを困らせたい
私は、一歩後ろに下がった。

「おい?」

次の瞬間、私は公園の外に逃げだした。

「あっ、待て!」


ヤバい!

この人、私の事知ってる!

必死に逃げたけれど、、公園の角を曲がった時に、ヤツに捕まった。


「離して!」

「離すもんか!」

「ちょっと、ヤダ!!」

「暴れるな!」

「嫌っ!!」

力の限りヤツの身体を押したのに、全然効果なくて、数秒後、私はタカさんに捕まっていた。


ああ、もうダメだ。

私はもう終わりだと思った。

警察に捕まって、刑務所に入れられて、荒んだ人生を生きるしかないんだって、覚悟した。

でも、抱き締める腕の強さが、その覚悟を狂わせた。


「逃げるなよ。」

温かいぬくもり。

強いのに、優しい抱き締め方。


「あなた……誰?」

どうしてこんなに、私に優しくしてくれるの?

もしかして私を、暗闇から引き戻してくれる人?

それとも、暗闇に連れていく人?

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