今日はあなたを困らせたい
「世の中、君よりも不幸な人間は、たくさんいるって事だ。」


私は首を傾げて、また歩き始めた。

もう呆れてモノが言えない。


「おい、遠藤?」

それでも、あいつは私を呼び止める。

「また、会いに来るからな!」


冗談じゃない。

私は会いたくない。


「明日も同じ時間に!この公園で!待ち合わせしよう!」


馬っ鹿じゃないの!

担任の教師だって知って、会いに来る奴がいるかって言うの!


「俺は、何時間でも待ってるからな!」


私が離れて行ってるのに、声は一向に小さくならない。

何で?と思って、チラッとあいつを見ると、少しずつ歩いて来ている。

やだ!

家まで着いてくる気?


「なあ!遠藤!」


ああ、しつこい。


私はとうとう振り返った。

「勝手にすれば?」

それだけ叫んで、私は家に向かった。

幸運な事に、それ以上。

あいつの声は、聞こえてこなかった。

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