旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
少しでも話せる時間があればいいのに叶わない。
あの夜から、自分たちは完全にすれ違い生活に戻っている。ほんの半月前までこれが自分たちの日常だったと思うと、もう溜息すら零れそうにない。
……先に誤解を解くべきだった。
それがさんざん浮かれた挙句にあっさり理性を飛ばし、キスだけでは足りずあんなことまで……さらには最中、極めてよこしまなことを考えた。妊娠させれば君は離婚を諦めてくれるのではないか、と。
なにが『薫子にとって誠実な男であり続けたい』だ鏡を見ろ、と自分で自分に失望してしまう。薫子を前にすると自分をまともにコントロールできなくなる。
こんなことは、過去に一度だってなかったのに。
『私、和永さんのなににもなれないのに』
『良くないって分かってるんですちゃんと』
あれは一体どういう意味なのか。結局、それさえ確認できていない。
なににもなれない……妻になっているだろう違うのか、それだけでは足りないということなのか。なにが〝良くない〟のか、自分には毛ほども理解できない。
彼女の望むものはなんだって差し出したい。だが、肝心のそれがなんなのかが分からない。分からないなら訊かなければならないのに、確認する前にいつも本能が理性を軽々と飛び越えてしまう。本当に良くないと思う。自分に恋は向いていない、とも。
あの夜から、自分たちは完全にすれ違い生活に戻っている。ほんの半月前までこれが自分たちの日常だったと思うと、もう溜息すら零れそうにない。
……先に誤解を解くべきだった。
それがさんざん浮かれた挙句にあっさり理性を飛ばし、キスだけでは足りずあんなことまで……さらには最中、極めてよこしまなことを考えた。妊娠させれば君は離婚を諦めてくれるのではないか、と。
なにが『薫子にとって誠実な男であり続けたい』だ鏡を見ろ、と自分で自分に失望してしまう。薫子を前にすると自分をまともにコントロールできなくなる。
こんなことは、過去に一度だってなかったのに。
『私、和永さんのなににもなれないのに』
『良くないって分かってるんですちゃんと』
あれは一体どういう意味なのか。結局、それさえ確認できていない。
なににもなれない……妻になっているだろう違うのか、それだけでは足りないということなのか。なにが〝良くない〟のか、自分には毛ほども理解できない。
彼女の望むものはなんだって差し出したい。だが、肝心のそれがなんなのかが分からない。分からないなら訊かなければならないのに、確認する前にいつも本能が理性を軽々と飛び越えてしまう。本当に良くないと思う。自分に恋は向いていない、とも。