旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
とはいえ、あまり長居したいとも思えない。密かに抱いていたみっともない感情を悟られたくもない。
ドリンクバーコーナーからそそくさとアイスティーを持ってきて、乾いた喉を早急に潤した後、私は対面の彼女へ自ら話を切り出した。
「あの。板戸さ……妹さんにもお伝えしていないのですが」
途中でこの人も〝板戸さん〟かもしれないと気づいて言い直しながら、居心地の悪さを噛み殺しつつ榛奈さんの目を見る。私から喋り出すとは思わなかったのか、榛奈さんは驚いた様子で目を見開いていた。
「昨日私が家に帰ってないこと、どうしてご存知なんでしょうか。やっぱり主人となにか特別な関係が……」
「あっ、違います違います、奥さんが不審に思うようなことは一切ないです!」
尋ねている途中で、榛奈さんは慌てた素振りを隠しもせずに声を張り上げた。
「ええと、あたし、能見の中学時代の同級生なんですよ」
言い争う意図は毛ほどもないと言いたげに、榛奈さんは私に両の手のひらを向け、胸の前でそれをぶんぶん振ってみせる。
一方の私は、同級生、と目を丸くしてしまう。
ドリンクバーコーナーからそそくさとアイスティーを持ってきて、乾いた喉を早急に潤した後、私は対面の彼女へ自ら話を切り出した。
「あの。板戸さ……妹さんにもお伝えしていないのですが」
途中でこの人も〝板戸さん〟かもしれないと気づいて言い直しながら、居心地の悪さを噛み殺しつつ榛奈さんの目を見る。私から喋り出すとは思わなかったのか、榛奈さんは驚いた様子で目を見開いていた。
「昨日私が家に帰ってないこと、どうしてご存知なんでしょうか。やっぱり主人となにか特別な関係が……」
「あっ、違います違います、奥さんが不審に思うようなことは一切ないです!」
尋ねている途中で、榛奈さんは慌てた素振りを隠しもせずに声を張り上げた。
「ええと、あたし、能見の中学時代の同級生なんですよ」
言い争う意図は毛ほどもないと言いたげに、榛奈さんは私に両の手のひらを向け、胸の前でそれをぶんぶん振ってみせる。
一方の私は、同級生、と目を丸くしてしまう。