旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
学生の頃から交際していた女と、就職して間もなく結婚した織田原は、それから一年も経たないうちに離婚した。
もう十年も前の話になる。
大恋愛の末の、ごく短期間での結婚生活の終止符以来、織田原はプライベートで完全に女性を避けるようになった。
そんな織田原が、三年ほど前から榛奈と連絡を取り合っている。
離婚まで、そして離婚からの経緯を知る身としては意外だった。そもそも、ふたりを最初に引き合わせたときは連絡先すら交換しなかったというから、余計に。
はぁ、と大きな溜息を落とした後、織田原はいかにも気まずそうに頭を搔いてみせた。
「俺は……大事だから逆に踏み出せねえっつうか、まぁそういうこともあんの」
織田原の顔に、すでに苦笑は浮かんでいない。苦々しそうに目を細めながら、織田原は珍しく腹のうちを明かし始める。
「俺バツイチだし、仕事しかできねえし、駄目なところも山ほどあるしよ、……榛奈ちゃんいい子なんだから普通に慎重になってほしいだろ。別にわざわざ結婚なんかしなくたっていくらでも幸せになれんだからよ、このご時世」
「……お前が臆病になってるんじゃなくてか?」
わざと尖った言葉を使うと、案の定、織田原は今日一番不機嫌そうな顔を晒し、そのまま話を遮った。
もう十年も前の話になる。
大恋愛の末の、ごく短期間での結婚生活の終止符以来、織田原はプライベートで完全に女性を避けるようになった。
そんな織田原が、三年ほど前から榛奈と連絡を取り合っている。
離婚まで、そして離婚からの経緯を知る身としては意外だった。そもそも、ふたりを最初に引き合わせたときは連絡先すら交換しなかったというから、余計に。
はぁ、と大きな溜息を落とした後、織田原はいかにも気まずそうに頭を搔いてみせた。
「俺は……大事だから逆に踏み出せねえっつうか、まぁそういうこともあんの」
織田原の顔に、すでに苦笑は浮かんでいない。苦々しそうに目を細めながら、織田原は珍しく腹のうちを明かし始める。
「俺バツイチだし、仕事しかできねえし、駄目なところも山ほどあるしよ、……榛奈ちゃんいい子なんだから普通に慎重になってほしいだろ。別にわざわざ結婚なんかしなくたっていくらでも幸せになれんだからよ、このご時世」
「……お前が臆病になってるんじゃなくてか?」
わざと尖った言葉を使うと、案の定、織田原は今日一番不機嫌そうな顔を晒し、そのまま話を遮った。