幼なじみ~Save the Earth0 Epi.1~
「俺と一緒にいたくて、出てきたの?」


私はただうなづいた


炎はにこっと笑うと、私の手を取った


「そんなかわいいこと、しちゃったんだ。海雨は。」


「だって…」


炎は、ふてくされた私に、こう言った


「父さん、海雨を泊まらせていいって。」


私は一筋の光を見つけた気がした


「本当?」


「その代わり、客間に寝かせろって。」


「なんで?
中学生まで、一緒の部屋に寝てたじゃん。」


炎はだんだん、顔が赤くなった


「その…」


「なに?」


「俺たち、付き合ってるわけだし…」


「うん。」


「一緒の部屋で寝たら…」


「うん。」


炎はなかなか、その先を言わなかった


「炎?」


「分からないならいいや。」


炎はすくっと立って、キッチンへ行ってしまった
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