斑くんの激重愛に抗うためには
「……斑くん、好き」
「急に、なに」
「思ったから言ってみた」
へへ、とはにかむ。
斑くんの耳が赤くなるのが見えた。
「……はぁ……」
長いため息。怒ってるわけじゃないのはわかる。
ほら……、またキスが降ってきた。
今度はさっきよりも優しい。
お互いの温度を確かめるためのもの。
そして、抱き締められた。ぎゅう~っと。
呼吸が奪われるほどに。
「…………帰したくない」
「そうだね。帰るね」
でも、また戻ってくるから。
重くてもいいよ。
束縛されても、独占されても──
私はもっと深い愛で、斑くんを包んであげる。
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斑くんの激重愛に抗うためには【完】