斑くんの激重愛に抗うためには
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 思ったよりも楽しみすぎてしまった。

 夕暮れギリギリ。オレンジ色は消える寸前だ。


 スマホケースに挟んだプリを眺めてから、パッと時間を確認する。

 十九時前。ちょっとなら、帰るの遅くなってもいいよね。


 自分の家の方向とは違う道を歩く。

 目の前にそびえ立つマンション。視線は自然と一つのドアを見上げていた。


 近付くと、窓から明かりがこぼれていることがわかる。

 少し震えた指先で、インターホンを押した。


 ピン、ポーン。


 返事はない。

 すぐ出てこないのも彼らしい。


 少し前までここに住んでたのに、変な感じだよね。

 と感傷に浸っていたら、ドアの向こうで気配がした。



「こんばんは。ちょっとだけ遊びに来ちゃった」

「……飯、あるけど」

「家の分もあるから、少しだけもらおうかな」


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