隣の部署の佐藤さんには秘密がある
「晃太、今彼女いる?」
「うん。」
「彼女にモデルやるって言う時、気を付けてね。彼氏がモデルなのに自分がモデル気取りになる女を何人も見てきたから。そうなると結構面倒なのよね~」
さきはそんなことにならない。むしろ、顔を出してモデルをやることをどう思うのだろうか。
「姉ちゃん、俺、今会社で顔隠してるんだけど。」
「そうなの?都合がいいじゃない。会社にバレないでモデルができるわよ。」
「それはそうなんだけど、今、彼女に女の影を疑われてて……」
「束縛系なの?モデルとして女性人気が出ることに嫉妬してくるような彼女ならやめた方がいいわよ。モデルやめて~とか言ってくる。」
「嫉妬というか、顔出した俺のことはあんまり好きじゃないみたいで……」
「あ~、もしかして昔の感じで口説いたの?バッチバチに決めて『部屋行こう、ルームサービス取るから。』とか言って。」
ぐうの音も出ない。
「仕方なかったんだよ、サンチェス=ドマーニのレセプションだったから……」
「レセプションに行ったの!?それは、女の影を疑う彼女が正しいわね。結婚とか考えてる?」
「うん……俺は。」
「気を付けてね。絶対お父さんが圧力かけてくるから。」
「俺は平気だよ。父さんの眼中にないから。」
「お父さんはそういうの関係ないの。龍司の結婚を決めたから、次は晃太だって勝手に相手を探してるかもしれないわ。」
「そんなわけないよ。」
あかねが結婚することになった時、家の中が騒がしかったことは何となく覚えている。父はあかねに期待していたから反対したのだろう。でも自分は何の期待もされていない。
「甘いわね。連絡先教えておくから、何かあったら相談して。」
連絡先を交換していると、蛍光イエローの祖父がやってきた。祖父はおもむろにスマホの画面を見せてきた。
「晃太、このスーツを頼めないか?」
「これは今は売ってないんだ。でも似たやつが出そうだから、見つけたら買っとくよ。」
「ありがとう。」
祖父から要望されたのは、発売されるや否や売り切れた人気のスーツだ。同じデザインが発売されることはほとんどないが、レセプションで似たような物が出ていたから、店頭に出るかもしれない。
「おじいちゃん、晃太は彼女とレセプションに行ったんですって。」
「そうか。同じブランドが好きというのは楽しいだろうね。」
「うん。」
「結婚するんですってよ。」
「まだわかんないけど……」
「そうか。頑張りなさい。」
磯山が呼びに来て祖父は広間から出て行った。
「晃太の会社って普通の会社だったわよね。それでサンチェス=ドマーニ好きってすごいわね。そういう家の子なの?」
「お金貯めて買ってるんだって。買ってあげるって言っても断られたんだ。はじめてだよ、そんな彼女は。」
「昔は変な女ばっかだったもんね~良かったわ。晃太が普通の女の子と付き合うようになって。堅実そうだし、それで同じブランドが好きだなんて最高ね。」
「彼女のおかげで毎日楽しいよ。残業が続いて大変でも、彼女の顔見れば頑張れる。毎日すごく可愛くてさ、この前は俺に似た犬の写真を……」
「晃太から惚気を聞くことになるとは思わなかったわ。お母さーん!聞いてー!晃太が惚気たよー!」
「待って、姉さん!」
さきのことを話し始めたら止まらなかった。晃太は顔を赤くしてあかねを追いかけた。
「うん。」
「彼女にモデルやるって言う時、気を付けてね。彼氏がモデルなのに自分がモデル気取りになる女を何人も見てきたから。そうなると結構面倒なのよね~」
さきはそんなことにならない。むしろ、顔を出してモデルをやることをどう思うのだろうか。
「姉ちゃん、俺、今会社で顔隠してるんだけど。」
「そうなの?都合がいいじゃない。会社にバレないでモデルができるわよ。」
「それはそうなんだけど、今、彼女に女の影を疑われてて……」
「束縛系なの?モデルとして女性人気が出ることに嫉妬してくるような彼女ならやめた方がいいわよ。モデルやめて~とか言ってくる。」
「嫉妬というか、顔出した俺のことはあんまり好きじゃないみたいで……」
「あ~、もしかして昔の感じで口説いたの?バッチバチに決めて『部屋行こう、ルームサービス取るから。』とか言って。」
ぐうの音も出ない。
「仕方なかったんだよ、サンチェス=ドマーニのレセプションだったから……」
「レセプションに行ったの!?それは、女の影を疑う彼女が正しいわね。結婚とか考えてる?」
「うん……俺は。」
「気を付けてね。絶対お父さんが圧力かけてくるから。」
「俺は平気だよ。父さんの眼中にないから。」
「お父さんはそういうの関係ないの。龍司の結婚を決めたから、次は晃太だって勝手に相手を探してるかもしれないわ。」
「そんなわけないよ。」
あかねが結婚することになった時、家の中が騒がしかったことは何となく覚えている。父はあかねに期待していたから反対したのだろう。でも自分は何の期待もされていない。
「甘いわね。連絡先教えておくから、何かあったら相談して。」
連絡先を交換していると、蛍光イエローの祖父がやってきた。祖父はおもむろにスマホの画面を見せてきた。
「晃太、このスーツを頼めないか?」
「これは今は売ってないんだ。でも似たやつが出そうだから、見つけたら買っとくよ。」
「ありがとう。」
祖父から要望されたのは、発売されるや否や売り切れた人気のスーツだ。同じデザインが発売されることはほとんどないが、レセプションで似たような物が出ていたから、店頭に出るかもしれない。
「おじいちゃん、晃太は彼女とレセプションに行ったんですって。」
「そうか。同じブランドが好きというのは楽しいだろうね。」
「うん。」
「結婚するんですってよ。」
「まだわかんないけど……」
「そうか。頑張りなさい。」
磯山が呼びに来て祖父は広間から出て行った。
「晃太の会社って普通の会社だったわよね。それでサンチェス=ドマーニ好きってすごいわね。そういう家の子なの?」
「お金貯めて買ってるんだって。買ってあげるって言っても断られたんだ。はじめてだよ、そんな彼女は。」
「昔は変な女ばっかだったもんね~良かったわ。晃太が普通の女の子と付き合うようになって。堅実そうだし、それで同じブランドが好きだなんて最高ね。」
「彼女のおかげで毎日楽しいよ。残業が続いて大変でも、彼女の顔見れば頑張れる。毎日すごく可愛くてさ、この前は俺に似た犬の写真を……」
「晃太から惚気を聞くことになるとは思わなかったわ。お母さーん!聞いてー!晃太が惚気たよー!」
「待って、姉さん!」
さきのことを話し始めたら止まらなかった。晃太は顔を赤くしてあかねを追いかけた。