隣の部署の佐藤さんには秘密がある
(なんて可愛いんだろう!お揃いがいいだなんて!俺もそう思うよ、さきっ!)

 晃太は口を押さえた。胸が苦しくて息ができない。そもそも同じ種類のアクセサリーを買っていたこと自体が運命だ。ブレスレットは自分の物にして、ネックレスをあげよう。そんなことを考えていると──

「佐藤さん、あの……私、彼女ですか?」
「え…………」

 街のあらゆる音が消えて無音になった。多分、一瞬気を失ったと思う。

「ちゃんと聞いてなかったから心配になっちゃって……」
「あ……当たり前でしょ!?っていうか、俺まだ彼氏じゃなかったの?朝は一緒に行ってるし、毎日連絡してるし、会社でアレ……あの……(抱きしめたし)、なんかすごく恥ずかしいこと(愛してるなんて)送っちゃったし……今更そんなこと言わないでよ。彼女だよ!ずっと前から彼女!大丈夫だったでしょ?俺の周り。」
「そうですね。でも油断できません。」

「油断して平気。俺の中では彼女の枠を超えてる。結婚するんだから。」
「ふふふ、そうでしたね。」

(また振られたかと思った……)
(私、彼女になれたんだ……)

 2人は別々の思いを胸に健斗のBARへ向かった。
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