隣の部署の佐藤さんには秘密がある
16.会いたい
健斗はグラスに入った烏龍茶を差し出した。顔は見えていないが、晃太からは疲労のオーラが漂ってくる。
「大丈夫か?帰って寝た方がいいんじゃないか?」
「聞きたいことがあるんだ。今日撮った写真をさきに送っていいのか教えて。」
「そんなもん勝手に送れよ。」
「失敗できないんだ。順調に階段を登っているんだから。」
「お前の写真に失敗なんかないだろ。」
健斗はそう言って他の客のところへ行ってしまった。BARは混雑している。これ以上健斗を呼び止めるのは申し訳ない。でも聞きたい。烏龍茶を少しずつ飲んでいると健斗が戻ってきた。
「おい、ここへ呼んで直接見せたらどうだ?」
「急に呼び出すなって言ったじゃん!」
「付き合ってるんだからいいだろ。時間があるなら来てもらえ。今は忙しい。」
健斗は晃太の隣の席にReserveの札を置いて、別の客のところへ行ってしまった。
晃太はスマホをじっと見つめた。今週は忙しかったから疲れているだろう。家で寛いでるかもしれない。休みだから出掛けてるかもしれない。もうそろそろ髪を切りたいって言ってたから美容室へ行ってるかもしれない。サンチェス=ドマーニのショップへ行ってるかもしれない。彼女に「ここへ来て欲しい」と言うことが、こんなに難しいとは思わなかった。晃太はスマホをじっと見つめた。
「大丈夫か?帰って寝た方がいいんじゃないか?」
「聞きたいことがあるんだ。今日撮った写真をさきに送っていいのか教えて。」
「そんなもん勝手に送れよ。」
「失敗できないんだ。順調に階段を登っているんだから。」
「お前の写真に失敗なんかないだろ。」
健斗はそう言って他の客のところへ行ってしまった。BARは混雑している。これ以上健斗を呼び止めるのは申し訳ない。でも聞きたい。烏龍茶を少しずつ飲んでいると健斗が戻ってきた。
「おい、ここへ呼んで直接見せたらどうだ?」
「急に呼び出すなって言ったじゃん!」
「付き合ってるんだからいいだろ。時間があるなら来てもらえ。今は忙しい。」
健斗は晃太の隣の席にReserveの札を置いて、別の客のところへ行ってしまった。
晃太はスマホをじっと見つめた。今週は忙しかったから疲れているだろう。家で寛いでるかもしれない。休みだから出掛けてるかもしれない。もうそろそろ髪を切りたいって言ってたから美容室へ行ってるかもしれない。サンチェス=ドマーニのショップへ行ってるかもしれない。彼女に「ここへ来て欲しい」と言うことが、こんなに難しいとは思わなかった。晃太はスマホをじっと見つめた。