二人で恋を始めませんか?
秘密の優くんメモ
(どうしよう、どこにやったんだろう? 秘密の優くんメモ)
朝礼の間、茉莉花は気もそぞろにソワソワと視線をさまよわせていた。
(最後に見たのはいつだっけ? えっと確か、今朝出社したら沙和ちゃんに『誕生日、優くんとどこでデートするの?』って聞かれて『水族館までドライブして、ホテルで食事して……』って細かく計画を話したのよね。で、忘れないうちにメモしてたら『コーヒー買いに行こう』って誘われて、慌ててポケットにしまって……。そのまま沙和ちゃんと一緒にラウンジに行ったから、もしかしてそこで落としたのかも?)
誰かに見られてませんように、と祈りながら、とにかくあとで探しに行こうと思っていると、隣に立つ同期の沙和が声を潜めて話しかけてきた。
「ね、茉莉花。新しい部長ってかっこいいね」
「え? あ、そうね」
メモ帳が気になってそれどころではない茉莉花は、軽く聞き流す。
「背も高いし、なんかキリッとした硬派のイケメンだね。小澤課長と同期入社らしいよ。若いのにもう部長なんて。小澤課長もエリートだけど、更に上を行くなんてすごいよね」
「うん、そうだね」
「ん? 何をキョロキョロしてるのよ、茉莉花」
「ううん、別に。ちゃんと部長のお話聞いてるよ」
「声もいいよねー、聞き惚れちゃう。えっ、面談だって! 部長と1対1かな? 楽しみー」
両手を頬に当ててうっとりする沙和の横で、茉莉花は、早く朝礼終わってーと心の中で呟いていた。
朝礼の間、茉莉花は気もそぞろにソワソワと視線をさまよわせていた。
(最後に見たのはいつだっけ? えっと確か、今朝出社したら沙和ちゃんに『誕生日、優くんとどこでデートするの?』って聞かれて『水族館までドライブして、ホテルで食事して……』って細かく計画を話したのよね。で、忘れないうちにメモしてたら『コーヒー買いに行こう』って誘われて、慌ててポケットにしまって……。そのまま沙和ちゃんと一緒にラウンジに行ったから、もしかしてそこで落としたのかも?)
誰かに見られてませんように、と祈りながら、とにかくあとで探しに行こうと思っていると、隣に立つ同期の沙和が声を潜めて話しかけてきた。
「ね、茉莉花。新しい部長ってかっこいいね」
「え? あ、そうね」
メモ帳が気になってそれどころではない茉莉花は、軽く聞き流す。
「背も高いし、なんかキリッとした硬派のイケメンだね。小澤課長と同期入社らしいよ。若いのにもう部長なんて。小澤課長もエリートだけど、更に上を行くなんてすごいよね」
「うん、そうだね」
「ん? 何をキョロキョロしてるのよ、茉莉花」
「ううん、別に。ちゃんと部長のお話聞いてるよ」
「声もいいよねー、聞き惚れちゃう。えっ、面談だって! 部長と1対1かな? 楽しみー」
両手を頬に当ててうっとりする沙和の横で、茉莉花は、早く朝礼終わってーと心の中で呟いていた。