私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
彼は三崎グループ取締役専務 三崎宗吾
(ミサキソウゴ)と書いた名刺を渡してくれた。

三崎グループは乗馬クラブや北海道には
牧場も所有しているそうで馬具の製造販売
もやっている大きなグループ会社のようだ。

幸はそういうことにあまり興味がなく、
よくわからないが、取締役で会社と同じ
名前の彼は直系の御曹司なのだろう。

それ位は幸でも想像できる。

「ユキさん、本名の幸さんと呼んでも
いいですか?貝原さんに本名も聞いたんです
西城幸って」

「ええ、もちろんです。どうぞ幸と
呼んで下さい」

「ありがとう、幸さん、僕はあなたのファン
なんですよ。青い瞳のビーナスの…
こんなことを聞いてはいけないのかも
しれませんが、何歳か教えてもらえない
ですか?ちなみに僕は36歳です」

36歳と聞いて幸は飲んでいた
ジンジャエールを吹き出しそうになって慌てて
飲み込んでせき込んだ。

「ごめんなさい。今日乗せてもらったレオンが
7歳馬で人間にしたら36歳だと聞いたので、
ちょっと可笑しくなってしまいました。
私は26歳です。
モデルにしては歳がいってますよね」

「いいえ、だから落ち着いた雰囲気だなと
実際に会ってみて思いました。
10歳差なら許容範囲か」

後のほうは幸にはよく聞こえなかったが、

「乗馬って今日初めてだったんですがとても
楽しくてレオンにすっかり魅了されました。
ハンサムで優しくてかっこいいんですもの」

そういってほほ笑む幸に三崎は
釘付けになっていた。
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