私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
食事中は馬の話や乗馬クラブの話で
盛り上がって初対面の人は苦手な幸が珍しく
警戒を解いてリラックスしていた。

「幸さんこの乗馬クラブに所属しませんか?
入会金も何もいりません。馬具も服もすべて
提供しますから」

「そんな、そこまでしてもらうわけには
いかないです。もっとモデル業で稼げるように
なったらこのクラブに入ってレオンにまた
乗りたいです。それを目標に頑張ります」

「いいえ、青い瞳のビーナスがこのクラブに
所属しているというだけで宣伝になるんですよ
時々僕とトレッキングとかしてもらえれば
それで充分、うちのメリットにもなります。
貝原さんに聞いてOKが貰えたなら、
乗馬クラブのSNSに幸さんの乗馬姿を
挙げさせてもらえたら、嬉しいんですが…
とにかく時間ができてレオンに会いたく
なったら僕に連絡してください」

三崎はそう言ってさっきの名刺の裏に携帯の
電話番号をサラッと書いた。

幸の連絡先は聞かずスマートに名刺を幸に
渡すと、デザートが出されてきて、
デザートを食べ終わるころに乗馬クラブの
ブラックの会員カードが渡された。

どこまでも手際が良くてスマートな
御曹司だなあと断るすべもなく幸は
そのカードを受け取る羽目になった。

後で貝原にそういうと彼は知っていたようで
この話も御曹司たっての要望だったらしい。

会員カードには本名の西城幸と書いて
あったのだ。
< 30 / 125 >

この作品をシェア

pagetop