私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
幸は携帯を握り締めて泣きくずれた。
明日の仕事の打ち合わせ中だったので、
社長の貝原も目の前にいたが、幸は涙を
止めることができずしばらくわんわんと
声をあげて泣き続けた。
自分がなぜ泣いているのかもよく
分からなかった。
ユキが見つかって嬉しいのかユキの口調が
他人行儀でそれが悔しいのか記憶を失くして
自分を忘れてしまっているユキが
恨めしいのか感情が胸の中で渦巻いて
制御できずに、泣き続けていた。
しばらくしてやっと泣き止んだ幸に
貝原は事情を聴いてきた。
幸にも詳しい事がわからなかったが、
ただユキは、幸の事を忘れているのだと
言う事だけは理解できた。
思いっきり泣いて落ち着いたユキはすぐに
山梨に電話をして詳しく事情を聴いた。
ユキはA市よりずっと南の小さな漁村に
いるらしい。
2年半前に海岸に打ち揚げられて
死にそうな所を助けられて今もその家に
厄介になっていると言ったそうだ。
記憶が全くないそうで自分の歳も名前も
わからず、弁護士だと言ったらすごく
驚いていたようだと山梨は言った。
貝原はとにかく会いに行ってみろと
言ってくれたが、時間が取れるのは
1週間後になる。
山梨にそう言うと一緒に行ってくれると
言うので甘えることにした。
貝原も行くと言ったがそんなに皆で
ぞろぞろ行ったら驚かせてしまう。
貝原には3日間の休みをもらった。
明日の仕事の打ち合わせ中だったので、
社長の貝原も目の前にいたが、幸は涙を
止めることができずしばらくわんわんと
声をあげて泣き続けた。
自分がなぜ泣いているのかもよく
分からなかった。
ユキが見つかって嬉しいのかユキの口調が
他人行儀でそれが悔しいのか記憶を失くして
自分を忘れてしまっているユキが
恨めしいのか感情が胸の中で渦巻いて
制御できずに、泣き続けていた。
しばらくしてやっと泣き止んだ幸に
貝原は事情を聴いてきた。
幸にも詳しい事がわからなかったが、
ただユキは、幸の事を忘れているのだと
言う事だけは理解できた。
思いっきり泣いて落ち着いたユキはすぐに
山梨に電話をして詳しく事情を聴いた。
ユキはA市よりずっと南の小さな漁村に
いるらしい。
2年半前に海岸に打ち揚げられて
死にそうな所を助けられて今もその家に
厄介になっていると言ったそうだ。
記憶が全くないそうで自分の歳も名前も
わからず、弁護士だと言ったらすごく
驚いていたようだと山梨は言った。
貝原はとにかく会いに行ってみろと
言ってくれたが、時間が取れるのは
1週間後になる。
山梨にそう言うと一緒に行ってくれると
言うので甘えることにした。
貝原も行くと言ったがそんなに皆で
ぞろぞろ行ったら驚かせてしまう。
貝原には3日間の休みをもらった。