私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
そして今日2年半ぶりに東京に出てきた。

まず、マンションに行ってスーツに着替えた

ダイニングテーブルの上に幸の手紙があった

そこには2人で貯めた貯金通帳が
置いてあった。

名義は刈谷宣之となっている。

ハンコも一緒に置いてあって、これはユキの
お金だからと書いてあった。

そんなわけないこれは幸が働いて節約して
ためたお金だ。

いつか分譲のマンションを買おうとその為に
一生懸命節約してためていたのだ。

見るともう500万近くたまっていた。

他には何も書いてなかった。

俺に恨み言の一つも書いてなかった。

ただ最後に”ユキ今までありがとう。
幸せになってね”と書いてあった。

幸は裕美の事を誤解しているのだ。

いつだって自分が我慢すればいいと
思ってしまう幸だ。

ああ幸に会いたい”青い瞳の俺のビーナス“
に会いたい。

でも先に伊藤先生の所に行かなくては伝える
べきこともあるのだ。その証拠も…

伊藤先生には今日行くといってあったので
事務所ではみんなが出迎えてくれた。

嬉しくて泣けてきた。

いつ帰ってくるかわからない俺の事を除籍
しないで待っていてくれたのだ。

俺は2年半前の事を伊藤先生に詳しく話した

A市の不動産開発業者の安藤という男に頭を
殴られて海に放り込まれたのも思い出した。

その時とっさにその男の背広の襟をつかんで
外れた社章を握り締めていたことと
そのバッチも伊藤先生に預けた。
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