私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
宗吾は俯いて何も言えない、ただ膝で
握りしめた手にぽたぽたと涙がこぼれていた
「わかりました。三崎さん私の事は
いいんです。この間のお返事未だして
いなかったですよね。
あの話はなかったことにしましょう。
三崎さんは誠実な方です。相手の方を
大切に素敵な家庭を作ってくださいね」
そういうと、幸は立ち上がって社長に
背筋を伸ばしてきれいなお辞儀をして
出て行こうとした。
その手を三崎が掴む、幸はその手を
そっと外してドアを開けて出て行った。
その背後で男泣きする三崎の声を聴いて
幸も思わず涙を流した。
彼を愛していたわけではない。
ただ、この先の人生を誠実で優しい三崎と
共に歩むのもいいと思い始めたのも
事実なのだ。
三崎となら穏やかにお互いを想い合って
暮らせるかも知れないと思っていたから、
でもなぜかゆみという女性にいつも幸の
幸せは摘み取られてしまう運命らしい。
幸は泣き笑いしながら、タクシーで
マンションに帰った。
三崎も苦しいだろう。男泣きする三崎の
嗚咽を思い出すと心が震えた。
今の世にも政略結婚がある事にも幸は
少なからず驚いた。
御曹司だから何でも自由になるわけでは
ないのだ。却って自由がないのかもしれない
週刊誌の記事は一回きりで事務所の方も
ただのスポンサーとモデルの関係以外
何もないというコメントを出したので
それ以上続報は出なかった。
握りしめた手にぽたぽたと涙がこぼれていた
「わかりました。三崎さん私の事は
いいんです。この間のお返事未だして
いなかったですよね。
あの話はなかったことにしましょう。
三崎さんは誠実な方です。相手の方を
大切に素敵な家庭を作ってくださいね」
そういうと、幸は立ち上がって社長に
背筋を伸ばしてきれいなお辞儀をして
出て行こうとした。
その手を三崎が掴む、幸はその手を
そっと外してドアを開けて出て行った。
その背後で男泣きする三崎の声を聴いて
幸も思わず涙を流した。
彼を愛していたわけではない。
ただ、この先の人生を誠実で優しい三崎と
共に歩むのもいいと思い始めたのも
事実なのだ。
三崎となら穏やかにお互いを想い合って
暮らせるかも知れないと思っていたから、
でもなぜかゆみという女性にいつも幸の
幸せは摘み取られてしまう運命らしい。
幸は泣き笑いしながら、タクシーで
マンションに帰った。
三崎も苦しいだろう。男泣きする三崎の
嗚咽を思い出すと心が震えた。
今の世にも政略結婚がある事にも幸は
少なからず驚いた。
御曹司だから何でも自由になるわけでは
ないのだ。却って自由がないのかもしれない
週刊誌の記事は一回きりで事務所の方も
ただのスポンサーとモデルの関係以外
何もないというコメントを出したので
それ以上続報は出なかった。