私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
「私関本裕美と言います。ケンいや
刈谷宣之さんと一緒にいるものですが、
幸さんにお話があって来たんです」
「ふ~ん、ユキと一緒に暮らしている
というのはあなたなんですね」
ちょっと上から目線の嫌な雰囲気だ。
でも裕美は引かなかった。
「そうです。幸さんはここを
辞められたんですか?」
「まあね、そういう約束で働いてて
その期限が来たから、ちょっと疲れたので
一時休業だよ。この3年あまり信じて、
待ち続けた男に裏切られてもうボロボロに
なっていたからね。少し休まないとね。
まだ人生長いんだから」
「あの、私村へ帰ることにしたんです。
だからケンじゃなくてユキさんを幸さんに
返しに来たんです。ユキさんは幸さんで
ないとダメなんです。あの人の心には
幸さん以外入る余地は1ミリも
なかったんです。それがよくわかりました
幸さんが村に来た時丁度母の葬儀の時
だったんですが、私幸さんに酷いこと
言ってしまって、誤解されるような態度も
取ってしまったので謝りに来たんです。
もう東京には来ることもないので帰る前に
幸さんに謝っておきたくて…」
「そうか、でもちょっと遅かったな。
幸は暖かい所に行きたいと言ってたな。
色んな所に行ってみたいと言ってたよ。
これから先の人生を見つめ直すそうだ。
あんな男は吹っ切って新しい人生を歩けと
言って送り出したんだ。
行く先は分からないよ」
そういってその人は寂しそうに笑った。
刈谷宣之さんと一緒にいるものですが、
幸さんにお話があって来たんです」
「ふ~ん、ユキと一緒に暮らしている
というのはあなたなんですね」
ちょっと上から目線の嫌な雰囲気だ。
でも裕美は引かなかった。
「そうです。幸さんはここを
辞められたんですか?」
「まあね、そういう約束で働いてて
その期限が来たから、ちょっと疲れたので
一時休業だよ。この3年あまり信じて、
待ち続けた男に裏切られてもうボロボロに
なっていたからね。少し休まないとね。
まだ人生長いんだから」
「あの、私村へ帰ることにしたんです。
だからケンじゃなくてユキさんを幸さんに
返しに来たんです。ユキさんは幸さんで
ないとダメなんです。あの人の心には
幸さん以外入る余地は1ミリも
なかったんです。それがよくわかりました
幸さんが村に来た時丁度母の葬儀の時
だったんですが、私幸さんに酷いこと
言ってしまって、誤解されるような態度も
取ってしまったので謝りに来たんです。
もう東京には来ることもないので帰る前に
幸さんに謝っておきたくて…」
「そうか、でもちょっと遅かったな。
幸は暖かい所に行きたいと言ってたな。
色んな所に行ってみたいと言ってたよ。
これから先の人生を見つめ直すそうだ。
あんな男は吹っ切って新しい人生を歩けと
言って送り出したんだ。
行く先は分からないよ」
そういってその人は寂しそうに笑った。