私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
「そうですか。ありがとうございました」
裕美は手紙も預けられず、幸の行き先も
わからずケンに申し訳ない事をしたと
しょんぼりとして事務所を出てきた。
ケンが東京に帰ると言った時点で、
自分は村に残ると言って送り出して
あげるべきだったのだ。
幸に対抗意識なんか持ってしまって、
勝てるはずもないのに、バカなことをして
二人を傷つけて離れさせてしまった。
ケンは最初からずっと兄のような気持ちで
裕美に優しく接してくれていたのに、
裕美はその優しさを自分の言い様に
捉えて勝手にケンに恋したのだ。
ケンにも幸にも申し訳が立たない。
とりあえず今日ケンが帰ってきたら、
これからは妹としてケンの事思って
いくから昨日の事は忘れてと言おうと思う
そして幸さんの事を知らせなければ
早く会いに行ってほしい。
その前に行き先を調べなければいけない
けれどケンならやれるだろうと思う。
こんなに自分の気持ちをすぐに切り替えられる
事に自分自身驚いている。
きっと泰樹の存在が大きいのだろう。
いつも優しく裕美の事を見守ってくれている。
今は故郷の海と空気がそして泰樹が
懐かしい。
この半年間ケンを吹っ切るのには必要な時間
だったのだと思う。
もう東京に何の未練もない。
なるべく早く帰ろう。
その夜日付が変わる頃になってもケンは帰ってこなかった。
裕美は手紙も預けられず、幸の行き先も
わからずケンに申し訳ない事をしたと
しょんぼりとして事務所を出てきた。
ケンが東京に帰ると言った時点で、
自分は村に残ると言って送り出して
あげるべきだったのだ。
幸に対抗意識なんか持ってしまって、
勝てるはずもないのに、バカなことをして
二人を傷つけて離れさせてしまった。
ケンは最初からずっと兄のような気持ちで
裕美に優しく接してくれていたのに、
裕美はその優しさを自分の言い様に
捉えて勝手にケンに恋したのだ。
ケンにも幸にも申し訳が立たない。
とりあえず今日ケンが帰ってきたら、
これからは妹としてケンの事思って
いくから昨日の事は忘れてと言おうと思う
そして幸さんの事を知らせなければ
早く会いに行ってほしい。
その前に行き先を調べなければいけない
けれどケンならやれるだろうと思う。
こんなに自分の気持ちをすぐに切り替えられる
事に自分自身驚いている。
きっと泰樹の存在が大きいのだろう。
いつも優しく裕美の事を見守ってくれている。
今は故郷の海と空気がそして泰樹が
懐かしい。
この半年間ケンを吹っ切るのには必要な時間
だったのだと思う。
もう東京に何の未練もない。
なるべく早く帰ろう。
その夜日付が変わる頃になってもケンは帰ってこなかった。