私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
「でも、幸さんは?実は昨日幸さんの
所属事務所に行ってみたんだ。
でも幸さんは居なかった。なんでも、
モデルには一区切りつけて一人であちこち
旅行するって言って行き先も言わずに
出掛けたままなんだって、携帯の番号を
教えて下さいと言ったんだけど
教えてもらえなかった。
ケンも知らないよね」

「うん、みんな誰も教えてくれないんだ。
俺嫌われてるのかなあってちょっと
不安になる」

「何言ってるの。そんなことないよ。
私が一緒に暮らしてるから幸さんは誤解
してるだけだよ。本当に悪いと思ってる。
もうケンの事は兄貴だと思う事にした。
荷物をまとめて送ってしまったら
村に帰るよ」

「じゃあ俺の休みの日にしろ。
送って行ってやる」

「いいの、泰樹が新幹線の駅まで
車で迎えに来てくれるって言ってるから、
泰樹に頼むよ」

「そうか、泰樹なら安心だ。俺からも
泰樹に連絡してよろしく頼むって
言って置く」

「うん、ありがと」

「帰る日が決まったら教えて、その前に
ちゃんとした所に飯食いにつれて行く」

「そんなとこ行ったら、緊張して味も
なんもわからないよ。それより有名な
テーマパーク連れて行って一日休みの日に
ゆっくりもう一回行きたいんだ」

「そうかわかった、じゃあ明後日が休み
だからその日は一日あけるようにする」

「ほんと、約束だよ。やっぱり朝だけ
仕事になったとかは無しだよ」

「わかった。わかった。
必ず一日休みにするよ」
< 91 / 125 >

この作品をシェア

pagetop