私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
2人は食事を終えるとすぐに帰っていった。

ユキは二人の会話から、今日裕美が事務所を
訪ねて行って幸に会いに行った事を知った。

そして幸がこの東京に居ない事も…

ユキはネットカフェに行って沖縄の
リゾートホテルの電話番号を調べて
夜10時位までに50件のホテルに
電話をかけてみた。

西城幸と言う名前で宿泊しているはずなので
家族を装って電話をかけてみたが
見つけることはできなかった。

幸が遠くに行ってしまいそうで焦るユキだった

それからも、マンスリーマンションや
民宿などの電話番号を調べておいた。

明日興信所にも再度依頼をかけるつもりだ。

そんな事をしているともう日付が
変わってしまった。

タクシーを捕まえてマンションに帰った。

家に帰るとダイニングテーブルに裕美から
話がしたいので明日早く帰って来てほしい
と書いたメモがあった。

明日は朝少し時間があるので、朝出勤前に
少し話そうと伝言を書いてシャワーを
さっと浴びて眠った。

次の朝、朝食を取りながら二人で話した。

「ケン、こないだはごめんね。ケンが幸さんを
すごく愛しているのがよくわかった。
自分が恥ずかしいよ。母さんが亡くなる前に
言ってたんだ。もしケンの記憶が戻ったら、
ケンには家族がいるかもしれないし
恋人がいるかもしれない。そういう事なら
ケンを家族や恋人の元に返してあげないと
いけないって、それをちゃんと覚悟して
いなさいって、なのに私はケンを独り占め
したくてケンから離れられなかった。
ほんとにごめんね」

「いいんだ、裕美と恵子さんは俺の
家族だから裕美のこと心配するのは
兄として当然だろう?」
< 90 / 125 >

この作品をシェア

pagetop