魔法使い時々王子
その夜、待ち合わせの時間を2時間も遅れて、シドはレオの店のドアを開けた。

店内には数人の客で賑わっており、バーテンをしているレオの前のカウンターにリアンとキースが座っていた。

リアンはシドに気がつくと膨れっ面をした。

「…もう、遅いじゃない!」

シドが隣に腰掛けるとリアンはシドの肩をバシッと叩いた。


「…悪い。」

レオはグラスに酒を注ぐとシドの前に差し出した。


「…久しぶりだな、シド。」

そして久しぶりに帰国したキースがシドに声をかけた。


「ああ、久しぶりだな。」

シドはグラスの酒をぐいっと飲み込んだ。


「今回の旅はどうだった?キース。」

リアンの問いかけにキースはふっと笑みを漏らした。


「…散々だったさ。途中馬が足を痛めてある国に長く滞在したが内乱が酷い所で宿屋を一歩も出る事ができなかった。」


「…キース、そんな危ない旅はもう辞めて。」

リアンは眉間に皺を寄せて言った。

「…大丈夫。そう言えばある国に立ち寄ったんだが、そこは平和そのものだった。活気があって人も多い。他国からの入国者も多くて財政は潤ってるように見えたよ。」

「へー、どこの国?」


「周りを海に囲まれた島国なんだが、アスタリト王国という所だ。国王がまだ若干29歳という若さで国を納めているんだ。きっと優秀なんだろう。」

カランッ

隣で話を聞いていたシドは一気に酒を飲み干した。
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