魔法使い時々王子
しばらく沈黙が流れる中、レオは手元のグラスを片付けながら、ふと口を開いた。
「なあ、シド。……お前さ、リアンとアリス様――どっちかのこと、気になったりしてないのか?」
カウンター越しに向けられたその問いに、シドは一瞬、返事に詰まった。
酒の香りと静けさに包まれた空間に、彼の沈黙が重く落ちる。
「……」
シドは視線を落とし、グラスの中の揺れる水面を見つめたまま、ゆっくりと言った。
「……いや。今は恋愛をしてる暇なんて、ない。」
その声には嘘はなかったが、どこか曖昧さもにじんでいた。
レオは少し目を細めると、からかうような口調で笑った。
「そうかい。ま、そう言うと思ったけどな。」
「……」
「でもな、シド。恋愛ってのは“暇がある時”にするもんじゃねぇぞ。
勝手に始まって、勝手にどうしようもなくなるもんだ。
……それに気づいてからじゃ、遅い時もある。」
レオの言葉に、シドはわずかに目を伏せた。
だが、それに対する答えは、口から出てこなかった。
カウンターの奥でレオは肩をすくめると、次のグラスを磨き始めた。
シドはレオの店を後にした後、言われた事が頭の中を巡っていた。
「恋愛か。」
王族に生まれなかったら、レオみたいな考えになるんだろうな。
そんな事を考えながら王宮へ戻って行った。
「なあ、シド。……お前さ、リアンとアリス様――どっちかのこと、気になったりしてないのか?」
カウンター越しに向けられたその問いに、シドは一瞬、返事に詰まった。
酒の香りと静けさに包まれた空間に、彼の沈黙が重く落ちる。
「……」
シドは視線を落とし、グラスの中の揺れる水面を見つめたまま、ゆっくりと言った。
「……いや。今は恋愛をしてる暇なんて、ない。」
その声には嘘はなかったが、どこか曖昧さもにじんでいた。
レオは少し目を細めると、からかうような口調で笑った。
「そうかい。ま、そう言うと思ったけどな。」
「……」
「でもな、シド。恋愛ってのは“暇がある時”にするもんじゃねぇぞ。
勝手に始まって、勝手にどうしようもなくなるもんだ。
……それに気づいてからじゃ、遅い時もある。」
レオの言葉に、シドはわずかに目を伏せた。
だが、それに対する答えは、口から出てこなかった。
カウンターの奥でレオは肩をすくめると、次のグラスを磨き始めた。
シドはレオの店を後にした後、言われた事が頭の中を巡っていた。
「恋愛か。」
王族に生まれなかったら、レオみたいな考えになるんだろうな。
そんな事を考えながら王宮へ戻って行った。