(改稿版)小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
ガシッと肩を組み、『俺の負け』と大翔が口にする。

「やっぱり、俺の読みは正しかったな。祐一郎なら茉祐子を受け入れてやれるんじゃないか・・って言ったろ?」

「ああ。でも、それと『俺の負け』にどういう関連があるわけ?」

「それは・・さ、俺だって茉祐子を狙ってたこともあったわけだよ。だけど、なんか合わなかった。
大人になったら何とかなるんじゃないかと思ったりしたけど、やっぱりダメで。結局ずっと友達のままだ」

「そう・・か」

友達のまま。
勘ぐることなく、言葉の通りに受け取ることにした。

それにしても、彼女と大翔は何が合わなかったんだろう。
大翔だって、男の俺から見てもものすごくいい男なのだ。

「運命ってあるんだろうな。あっという間に恋に落ちて、甘くて苦しくて、でもお互いがいない人生なんて考えられない・・ってね。
そんな感じだろ? 今の祐一郎と茉祐子は」

「そうだな。甘くて苦しくて・・か。まさにそんなところだ」

「結婚するのか?」

「ああ。これから指輪を受け取りに行くところだ。近々プロポーズしようと思ってる」

羨ましいな、と大翔がつぶやいた。
何が、と聞きたい気もしたけれど、それはやめにする。

「結婚式には呼べよ。必ず休み取るから」

俺は大翔を振り返らずに、右手を上げてヒラヒラさせて去っていった。

結婚式・・か。
プロポーズで悩んでいる俺にはまだ先のことのように思えたものの、彼女のドレス姿をぼんやりと想像して、そう遠くない未来に結婚するのだと心に決めた。



< 104 / 120 >

この作品をシェア

pagetop