(改稿版)小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
3.不安
彼女がフリーランスで仕事をしていることもあって、俺の勤務が不規則な中でも、時間を合わせてくれて食事をしたり、お互いの家を行き来して、なるべくふたりで過ごすようにした。

俺に合わせてスケジュールを調整してくれる彼女に、俺の家でも自宅と同じ環境で仕事ができるようにと、こっそりデスクや椅子、ライトの型番を調べて手配したものが、今夜届くことになっている。


ピンポーン♪

インターホンが鳴り、俺は玄関ドアを開ける。
配送業者がいくつかの箱を俺の仕事部屋に運び込むと、10分ほどで設置が完了して帰って行った。

「祐一郎、デスク買い替えたの?」

運び込んだ時の段ボールに書かれた品名を見て、俺のデスクを買ったと思ったんだろう。

「いや、俺のじゃないよ」

「ん? どういうこと?」

「見てきたら? 部屋入っていいよ」

「・・え?」

初めて入った俺の仕事部屋で、彼女の『うそ・・』というつぶやきが聞こえる。
予想通りの反応だ。

俺も部屋に入り、ふたつ並んだデスクをながめながら伝えた。

「俺を待ってる間に仕事をしたり、ここにいる時に急ぎの用件が入ったりすることもあるだろう? そういう時に、俺の家でもいつもと同じようにできたらいいかと思って」

「それは・・そうだけど・・」

「不規則な時間で仕事をしている俺に、茉祐がスケジュールを合わせてくれるのが嬉しかったんだ。それで、俺も茉祐に何かしてあげたいって考えた時にこれが浮かんだんだよね」



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