(改稿版)小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
彼女の身体に指を滑らせ、その跡を追うように唇で触れていく。
ひんやりとしていた彼女の身体が、少しずつ色づいて熱を帯びる。

枕元に手を伸ばして、照明を落とした。
薄明かりの方が、お互いに気持ちが楽だろうと思って。

「茉祐」

呼びかけるたびに、閉じられた瞼が開く。

潤んだ瞳は、このシチュエーションを受け入れているのだと、俺を・・受け入れているのだと信じていいだろうか。

途切れがちな吐息も、俺の指と唇に反応し、この先に進んでもいいという合図だと思っていいだろうか。

「茉祐」

ふわりと微笑んだ彼女が、俺の背中に両腕を回す。

「茉祐・・」

「・・そんなに呼ばれたら・・」

「ん?」

「祐一郎が求めてくれてるんだ・・って、思っちゃうな」

俺は、彼女の髪をゆっくりと撫でながら言った。

「これでも、必死に抑えてるんだ」

「えっ」

「茉祐に・・・・優しい男だと思われたいから」

「・・そんなの・・・・ぁぁっ」

指を彼女の潤みにうずめつつ、身体をずらして舌を動かす。
彼女が反応する場所を、次々と愛でていった。
膨らんだ芽も、真っ赤になった花弁も、蜜が流れてくる淫路も。

ゆるゆると動く彼女の細い腰と、次々と溢れる艶やかな蜜を確認して、俺は準備した。

「茉祐・・。もう茉祐と繋がりたい」

「ん・・。ゆ・・いちろ・・私・・も」

途切れがちな甘い声に、俺はもう我慢ができなくなる。

「茉祐、好きだよ」

ゆっくりと彼女の中に腰を沈めていく。

「っ、ぁっ・・はぁ・・んっ」

「茉祐っ」

ぬるぬると蜜が絡みついてくる感触に、頭が痺れる。
こんな感覚、初めてだ。

「すごく絡みついてくる・・茉祐も、俺を求めてくれてるんだね・・」

「・・ぁぁ・・いやぁ・・」

「嫌? やめようか?」

彼女が首を横に振るのを確認してから、俺は動きを早めていく。
甘美な空気が、部屋に充満した。

明日の仕事を考えれば、長時間付き合わせることはできない。
そう、なんだけど。

重なりを少しずつ変えながら、彼女との結びつきを深める。
そろそろ、俺も限界だ。

「そんなにしたら・・もぅダメになる・・・・」

「いいよ。俺も・・もう限界」

小さな悲鳴のような声とともに、彼女の全身から力が抜ける。
ほぼ同時に、俺も俺自身を解放した。



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