(改稿版)小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
6.独占欲
さて、教授たちの口に合うのは何だろうな・・。
空港の到着ロビーで朝食の候補を探しながら、ふたりが出てくるのを待っていた。

「西島!」

「あ、お帰りなさい。高浜教授」

「神崎です。朝から申し訳ないね、世話になります」

そう言って、高浜教授の知人は右手を差し出した。
俺はその手を軽く握り、挨拶する。

「初めまして神崎先生、西島です。早速ですが、朝食は・・和と洋どちらがお好みですか?」

神崎先生は、俺の顔をじっと見ている。
何だろう・・?

「あの・・神崎先生、何か・・」

「ああ、すまないね。イケメンドクターだなぁと思って、つい。そうだな、和食でもいいかな?」

「もちろんです、行きましょう。少し歩くので、荷物は私が」

ふたり分のスーツケースを用意したカートに乗せ、美味い和朝食が食べれると評判の店に向かう。
シンプルな和定食に加え、白がゆや茶漬けもある店だ。

「おお、これはいい。わかってるなー、西島」

「そうだな、こういうのを食べたかった。高浜は気の利くドクターを育てたな」

「神崎先生・・恐縮です」

俺に現地の土産話をしてくれる高浜教授をよそに、ゆっくりと食事をしていた神崎先生がふいに口を開いた。

「ところで、西島くんはなぜ小児科を選んだの? 身体つきもしっかりしているし、外科や救急あたりを選んでもおかしくなさそうな感じだが」

「言われてみればそうだな。俺もちゃんと聞いたことが無かったから、ぜひ聞かせてくれよ」

ふたりに尋ねられながら、そういえば彼女にも、知り合った頃に聞かれたっけな・・と思い出していた。



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