(改稿版)小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
俺はその後も、ずっと彼女の腕に抱かれていた。

そんなつもりじゃなかったのに、ソファに座ってもベッドに入っても、彼女の腕がスッと伸びてきて俺を包む。

「なんか情けないな」

ボソッとつぶやいた俺に。

「ちょっと弱ってる祐一郎も好き」

そう言って彼女が微笑む。

「だけど・・約束して、祐一郎」

「約束? 何の約束?」

「できればだけど・・。私にだけ見せてほしい・・かな・・。じゃないと・・見せられた女性は、祐一郎を好きになってしまいそうだから」

彼女が・・嫉妬? いや、独占欲か?
ヤバイ、可愛い。

「弱ってる俺を見て好きになるとか・・無いと思うけど」

彼女が考えていることをもっと知りたくなって、つい話を振ってみる。

「・・だって、普段とのギャップにドキドキするし、優しくしたくなるし、触れたくも・・なる。そんなふうに思う女性が目の前いたら、祐一郎だって・・」

「・・その女性のところに行ってしまうとか、考えてる?」

「・・・・」

ちょっともう、我慢できないな。
彼女を知れば知るほど、俺だって絶対に誰にも渡したくないと思うから。

「ねぇ茉祐、キスして・・。俺をずっと、離さないで・・」

ねだった俺に、彼女のやわらかい唇がそっと触れてきた。
その感触が、俺の独占欲を更に搔き立てる。

唇も舌も、細い指も。
俺を絡め取って昂らせていく。

背中や腰の辺りを這う彼女の手に身をゆだね、俺はゆっくりと目を閉じた。





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