ホリー・ゴライトリーのような女
学校で講義を終え、エントランスでタバコを吸っていると、制作科の連中だろう、同じように講義を終え、夕飯をラーメンにするか、ピザにするかで話し合っていた。
僕の今の気分は、断然、冷たいビールを飲みながら焼き鳥なのだが、そんなこと、この連中には関係ない。
タバコの火を消し、また新しいタバコに火をつけ、それからまた歩く街。
講義前とは打って変わって、夜の喧噪。マクドナルドの前では、ケバブを売っているトラックから、なんとも香ばしい匂いが漂ってきて、冷たいビールと枝豆の気分から、ガッツリケバブへと誘ってくる。しかし、ぐっと堪えて、通り過ぎると、たちまち、暗い暗い道へと出る。
かまわず歩く。タバコの煙が、すれ違った通行人にぶつかろうが、一切気にしない。角を曲がり、さらに歩けば、少し明るい場所に出る。
信号待ち。横断歩道まで目線を下にやる。信号が青に変われば、目線の横断歩道が青色発光ダイオードの光を受けて、瞬く。だから、子時間は信号機を見ないでも、変わったのがわかるのだ。
無料動物園のある公園を横目に歩けば、また横断歩道がある。個々の横断歩道は先ほどよりも少し、長く感じる。同じように横断歩道の白いラインをボーっと眺めていると、瞬き、それを合図に僕はまた歩き出す。
目の前にあるコンビニで、缶ビールと焼き鳥を買い、さらにさらに歩いて、家に帰らず、河原まで歩く。
そして、土手の階段に座って買ってきた缶ビールを開け、焼き鳥で飲む。ああ、今日一日がこの一杯で、溶けていく。