主人公の座、返してもらいます!〜私が本物の主人公だったらしいので華麗に人生を取り返してみせようと思います〜
「反逆罪は死罪だ。……お前の、その拙い脳みそでも理解できるだろう?」

冷たい刃が喉に触れ、私は死を覚悟した。

(……もしかして、前も、お母様は病気なんかじゃなくて……陛下に殺された?)

だとしたら、私はまた何も守れなかったことになる。お母様を失い、私はまた処刑される。

(何も変えられてない……)

――幸せになんて、なれない。

――主人公の座を取り戻す?そんなの、夢だったんだ。

喉から、乾いた笑いが漏れる。視界がにじみ、私はゆっくりと目を閉じかけた。

その時だった。

廊下が騒がしくなり、怒声が響いた。

「おやめください! 現在、陛下はお取り込み中で……!」
「取り込み中だと? 俺はこの腐った国王に用があるんじゃない。姉と姪に会いに来たんだ!」
「……何の騒ぎだ?」
「王宮の廊下で、騒がしいのは一体誰かしら?」

陛下と第一王妃殿下が苛立った声を上げる中、私は扉の方に目を向ける。

その瞬間、騎士たちを押しのけて、誰かが堂々と部屋に踏み込んできた。

靴音が高く響く。

その男は、お母様によく似ていた。

私はすぐに思い出した。かつて、お母様が一度だけ見せてくれた肖像画――

――テネブラエ王国現国王、シムラクルム陛下。

私の叔父だった。
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