こちら元町診療所
なんで私の方がこんなに感情を乱されて
しまっているのだろうか‥‥。
『フッ‥確かに‥‥血色はさっきより
良くなってるかな。』
ドクン
耳元で囁かれた甘い声色と、頬を掠める
細くて長い指に医師として言ってるとは
思うものの、距離感が近過ぎる
(『君みたいな人は初めてだ。』)
初日にそう言われたのを思い出すも、
特別何かをした覚えもないし、
なんなら私の態度は悪かったとも思う。
先生の周りは女性が絶えない筈だから、
恋人でも作ればいいのに‥‥。
まさか!モテ過ぎて選べないとか!?
そんなことを見つめながら考えていると、心地いいスピードと鼻を掠める
いい香りに自然と目蓋が閉じそうになる
『‥‥靖子‥‥‥靖子?‥着いたよ?』
トロンとしかけた意識を戻すと、頭に
また優しく触れる手を跳ね除けた。
「ッすみません!寝てしまって‥」
勢いよく起きようとするものの、それを
制され、シートのリクライニングをゆっくりと起こしてもらった。
『部屋の前まで送るよ。』
助手席のドアを外から開けてもらうと、
降りようとした私の手を取り、そのまま
支えてくれた。
「部屋はすぐですから。」
『聞こえなかったか?
部屋の前まで送る。心配しなくても
部屋の中には入らないから。』
「でも‥ウワッ!!」
荷物を奪われると、肩を抱き寄せられ
距離がグッと近づいてしまった。
「ッ‥先生!?」
『ん?‥‥ほら早く行こう。」
半ば強引にエントランスに向かって
歩き始め、エレベーターに乗り込むと、
もう諦めて何も言えなくなった。
『ここ?』
「はい‥‥ありがとうございました。」
ようやく体に触れていた手が離れると、
今になって照れてしまい、顔を見られないようにそっと俯いた。
恋愛経験がないわけじゃないけど、
家の前まで抱き寄せられて見送られた
経験などないから戸惑うのも仕方ない
しまっているのだろうか‥‥。
『フッ‥確かに‥‥血色はさっきより
良くなってるかな。』
ドクン
耳元で囁かれた甘い声色と、頬を掠める
細くて長い指に医師として言ってるとは
思うものの、距離感が近過ぎる
(『君みたいな人は初めてだ。』)
初日にそう言われたのを思い出すも、
特別何かをした覚えもないし、
なんなら私の態度は悪かったとも思う。
先生の周りは女性が絶えない筈だから、
恋人でも作ればいいのに‥‥。
まさか!モテ過ぎて選べないとか!?
そんなことを見つめながら考えていると、心地いいスピードと鼻を掠める
いい香りに自然と目蓋が閉じそうになる
『‥‥靖子‥‥‥靖子?‥着いたよ?』
トロンとしかけた意識を戻すと、頭に
また優しく触れる手を跳ね除けた。
「ッすみません!寝てしまって‥」
勢いよく起きようとするものの、それを
制され、シートのリクライニングをゆっくりと起こしてもらった。
『部屋の前まで送るよ。』
助手席のドアを外から開けてもらうと、
降りようとした私の手を取り、そのまま
支えてくれた。
「部屋はすぐですから。」
『聞こえなかったか?
部屋の前まで送る。心配しなくても
部屋の中には入らないから。』
「でも‥ウワッ!!」
荷物を奪われると、肩を抱き寄せられ
距離がグッと近づいてしまった。
「ッ‥先生!?」
『ん?‥‥ほら早く行こう。」
半ば強引にエントランスに向かって
歩き始め、エレベーターに乗り込むと、
もう諦めて何も言えなくなった。
『ここ?』
「はい‥‥ありがとうございました。」
ようやく体に触れていた手が離れると、
今になって照れてしまい、顔を見られないようにそっと俯いた。
恋愛経験がないわけじゃないけど、
家の前まで抱き寄せられて見送られた
経験などないから戸惑うのも仕方ない