あなたと過ごしたこの“庭”で
序章 喫茶店にて。
暖かな日差しが頬をかすめ、春風と共に男の子の声が聞こえた。
「…て…きて…」
-----誰?誰なの…?
声に覚えはない。
「起きてよ、お寝坊さんっ!」
はっ!!…
これは、私が定期的に見る夢。ストレスが蓄積した時に見る夢なのだ。
ふと時計を見ると、午前4時半。
「はぁ…、休日ぐらい休ませてよぉ、何がお寝坊さんよっ!もうぅ」
私は、小鳥遊心音 23歳。絶賛ブラック企業のOLである。
田舎育ちの私は都会に憧れがあり、都会にある会社に内定もらえたって呑気に浮かれてたらこの有様…。
人生そんなに甘くない。
「もう辞めたい、1年もよく頑張ったよ…」
そう自分に賞賛の声をあげ、気絶するように私は眠りについた。
・
・
ピピピピ!ピピピピ!
頭に響くアラーム音が私を不快にさせた。時刻は午前10時
「はぁ、寝た気がしない…」
しかし、今日は久しぶりに親友と会う約束をしているのだ。
私は、青クマをコンシーラーで隠し、チークで血色感を足し何とか人間を取り戻した。
「よし!今日は楽しむぞ!」
心音は、太陽が照りつける夏の日差しに負けないように、玄関を飛び出した。
-------喫茶ジャルダン
ここが親友との待ち合わせ場所。
その喫茶店は緑で溢れており、夏の暑さを感じさせないような清涼感をあたえてくれる。
都会の目まぐるしい世界から一変して、童話の世界に飛び込んだような胸の高鳴りを感じた。
そう、喫茶店に目を奪われていると、ころころと転がる飴玉のような声がした。
「心音!ごめん!待たせたかな?」
彼女は、広瀬由香里 23歳。私の親友であり、元同僚。半年前に自主退職をしたのだ。
「由香里!久しぶり〜!私も今来たとこよ!さっそく中入ろっか!」
ドアを開けると、コーヒーの落ち着いた香りとレトロな内装がどこか懐かしさを感じた。
「お2人さまですか?」
喫茶店のスタッフさんに案内され、私たちは窓側の席に腰掛けた。
「心音、ここの喫茶店マドレーヌがとても有名なんだよ」
「そうなんだ!じゃあマドレーヌは確定ね!」
私たちは、それぞれマドレーヌやプリンなどスイーツやコーヒーを頼んだ。
緩やかな時が私の心を休ませてくれる。
「ねぇ、心音。また、痩せたんじゃない?…心音もさ、そろそろ転職したほうがいいんじゃないかな?」
由香里は申し訳なさそうな顔で私を見つめた。
由香里は優しい子だ。初めて、彼女と会ったのは入社式の頃、都会に慣れてない私はスマホの地図アプリでさえ使いこなせない状況であった。
「ここどこよぉ…」
-----入社式に遅刻なんてしたら。
「あの、お困りですか?」
そう声をかけてくれたのは由香里だった。
「あの、ここなんですけど…」
私は冷や汗と恥ずかしさのあまり泣きそうであった。
「あ!」
由香里の大きな声が響いた。
「すみません、驚かせちゃって、えへへ、私もここの新入社員なんです!」
「え!」
心音の大きな声が響いた。
「ほほ本当ですか!?」
「はい!一緒に行きましょ!」
こうして、私は入社式に遅刻などという悪行をすることなく無事に入社できたのだ。…ブラック企業にね。
-----罪悪感なんてもたなくていいのに。由香里も私と同じように苦しんだじゃない。
「由香里、ありがとう。私も最近転職しようかなって思ってるの」
「…て…きて…」
-----誰?誰なの…?
声に覚えはない。
「起きてよ、お寝坊さんっ!」
はっ!!…
これは、私が定期的に見る夢。ストレスが蓄積した時に見る夢なのだ。
ふと時計を見ると、午前4時半。
「はぁ…、休日ぐらい休ませてよぉ、何がお寝坊さんよっ!もうぅ」
私は、小鳥遊心音 23歳。絶賛ブラック企業のOLである。
田舎育ちの私は都会に憧れがあり、都会にある会社に内定もらえたって呑気に浮かれてたらこの有様…。
人生そんなに甘くない。
「もう辞めたい、1年もよく頑張ったよ…」
そう自分に賞賛の声をあげ、気絶するように私は眠りについた。
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ピピピピ!ピピピピ!
頭に響くアラーム音が私を不快にさせた。時刻は午前10時
「はぁ、寝た気がしない…」
しかし、今日は久しぶりに親友と会う約束をしているのだ。
私は、青クマをコンシーラーで隠し、チークで血色感を足し何とか人間を取り戻した。
「よし!今日は楽しむぞ!」
心音は、太陽が照りつける夏の日差しに負けないように、玄関を飛び出した。
-------喫茶ジャルダン
ここが親友との待ち合わせ場所。
その喫茶店は緑で溢れており、夏の暑さを感じさせないような清涼感をあたえてくれる。
都会の目まぐるしい世界から一変して、童話の世界に飛び込んだような胸の高鳴りを感じた。
そう、喫茶店に目を奪われていると、ころころと転がる飴玉のような声がした。
「心音!ごめん!待たせたかな?」
彼女は、広瀬由香里 23歳。私の親友であり、元同僚。半年前に自主退職をしたのだ。
「由香里!久しぶり〜!私も今来たとこよ!さっそく中入ろっか!」
ドアを開けると、コーヒーの落ち着いた香りとレトロな内装がどこか懐かしさを感じた。
「お2人さまですか?」
喫茶店のスタッフさんに案内され、私たちは窓側の席に腰掛けた。
「心音、ここの喫茶店マドレーヌがとても有名なんだよ」
「そうなんだ!じゃあマドレーヌは確定ね!」
私たちは、それぞれマドレーヌやプリンなどスイーツやコーヒーを頼んだ。
緩やかな時が私の心を休ませてくれる。
「ねぇ、心音。また、痩せたんじゃない?…心音もさ、そろそろ転職したほうがいいんじゃないかな?」
由香里は申し訳なさそうな顔で私を見つめた。
由香里は優しい子だ。初めて、彼女と会ったのは入社式の頃、都会に慣れてない私はスマホの地図アプリでさえ使いこなせない状況であった。
「ここどこよぉ…」
-----入社式に遅刻なんてしたら。
「あの、お困りですか?」
そう声をかけてくれたのは由香里だった。
「あの、ここなんですけど…」
私は冷や汗と恥ずかしさのあまり泣きそうであった。
「あ!」
由香里の大きな声が響いた。
「すみません、驚かせちゃって、えへへ、私もここの新入社員なんです!」
「え!」
心音の大きな声が響いた。
「ほほ本当ですか!?」
「はい!一緒に行きましょ!」
こうして、私は入社式に遅刻などという悪行をすることなく無事に入社できたのだ。…ブラック企業にね。
-----罪悪感なんてもたなくていいのに。由香里も私と同じように苦しんだじゃない。
「由香里、ありがとう。私も最近転職しようかなって思ってるの」