君の隣が、いちばん遠い
「夏期講習、あと一週間か。ようやく終わるな」
「うん。……でも、ちょっと寂しい気もするよね」
「え? 佐倉さんって、そっち寄りの感想言うタイプだったのか」
「な、なにそれ、失礼じゃない?」
わたしが軽くむくれると、白石くんはおかしそうに笑った。
「ごめんごめん。でも、たしかに、何かに一生懸命になった時間って、終わるとちょっとだけ物足りないんだよな」
「……うん。分かるかも」
白石くんとの会話は、意外と気が楽だった。
あっさりしていて、でもどこか真面目で。
わたしは毎日、一ノ瀬くんとLINEで連絡を取り合っていた。
今日のこと、勉強のこと、他愛ないことも。
白石くんと帰っていることも、もちろん伝えていた。
隠すようなことじゃないし……。
でも、どこかで――気づかないふりをしていたのかもしれない。