君の隣が、いちばん遠い
「……ひよりって、ほんとすごいよな。いつも、俺の想像を超えてくる」
「すごくなんてないよ。ただ……一緒に、がんばりたいだけ」
「……うん。ありがとう。じゃあ、来週の日曜、家に来てくれる?」
「うん」
彼の手が、少しだけ強くわたしの手を握り返す。
未来はきっと、まだぼんやりしていて、掴みきれないけど。
それでも、こうして手を取り合って歩いていけるなら、きっと大丈夫だと思える。
週末、遥くんの家を初めて訪ねた。
玄関先で彼のお母さんが顔を出し、丁寧に挨拶をしてくれた。
以前に聞いていた険悪な空気とは少し違って、どこかぎこちないけれど、穏やかさもあった。
「お邪魔します」
リビングに案内され、ダイニングテーブルに並んで教科書を広げる。
部屋の奥には、遥くんのお父さんが座って新聞を読んでいた。