君の第二ボタンを見つけた時
第二章:変わらないはずの日常
今日はクラス替えだ、全てが決まる。1年間誰と行動を共にするか、寂しくぼっちで過ごすことになるか否か、クラスメイトのメンツによっては楽しい1年になるかが関わる。
「玲衣奈ーーー!おはよう!クラス替え緊張するんだけど!」
「だね!ぼっちだったらどうしよう・・・」
不安がる玲衣奈の前であたかも全く不安じゃないみたいな顔をして隣を歩く。もうすぐ校門だ。
玲衣奈は人一倍ネガティブだし不安症な方だ。でも、人一倍優しく、喧嘩しても絶対に先に謝ってくれる。控えめな性格だが、お互い趣味がヲタクということもあって話が合うし一緒にいて楽しい。そして、私の秘密はなんでも知っていると言っても過言ではないぐらいの親友だ。
玲衣奈との友情は並大抵のことでは崩れないと思っている。
「あ!紙貼ってあるよ!あれクラス替えの紙じゃない?!」校門入ってすぐの掲示板にクラス替えの一覧表が貼ってあった。大勢群がっているが人を避けながら目を凝らして自分の名前を探す。すると一列目にいた、去年クラスメイトだった紗良が振り向き私を呼ぶ。
「あ!ゆーーらー!同クラだったよ!よろしく!」
「ほんとっ?!良かったー!何組?」
「三組!!玲衣奈も一緒だよ!」
『良かった〜!』とハモる私と玲衣奈。
「ハモってるし。(笑) さすが仲良しコンビ!」
同じクラスになった私と玲衣奈、そして紗良と、隣にいた同じく去年も同じクラスだった華菜の四人は並んで歩き、新しいクラスにどんなメンツがいたかで話が盛り上がった。
「あ、三組にあいついるよね!!華菜!」といきなり食い気味になる紗良。
「そうそう、クラス替えで女子がみんな1番気にしてるのはそこだよね!ま、私は彼氏いるからあんまり興味ないけど。」と少し自慢げな華菜。
「だれ?やなやつ?」
『新谷秋也だよ!!』とハモる紗良と華菜。
でも、聞いてもやはり知らない私。
「話したことない人だ。玲衣奈知ってる?」
「うん。去年同じクラスだった。すごいモテる人だよね。」と知っている様子の玲衣奈。玲衣奈とは中学の時から仲良しだが、去年は違うクラスだった。私の通っている高校は、中学からエスカレーター式でよっぽどひどい成績でなければ付属の高校に上がれる。
「新谷秋也は女子が一度は必ず好きになると言っても過言ではないよね。」となぜかしみじみと言う紗良。
モテる人か。しかも女子が一度は好きになるって相当かっこいいんだろうな。じゃあ三組に決まった女子は大喜びって感じか。でも私には関係ないな、だって私には本気で片想いしている相手がいる___。
「柚桜も新谷のこと好きになっちゃうかも?!」とニヤニヤした顔で紗良と華菜が見てくる。
「私はないよ。川口先輩一筋だから!それに同い年はない派ー」と反論。
「その先輩って入部して早々一目惚れしたんだっけ?まだ好きなんだ!」と紗良。
「部活に毎日欠かさず顔出しているのも川口先輩に会えるからだもんね。私もそれに付き合わされてるよー(笑)」と同じ部活の玲衣奈。
「告白はしないの?」と紗良。
「しないしない!だってもし振られたら気まずくなるし今の関係のままがいい。」
「えー!ライバルとかいたらどうするの?!」
ライバル。川口先輩はクールなタイプでフレンドリーではないし、モテているタイプではないけど、もしかしたら川口先輩のことを好きな人が1人ぐらいいてもおかしくはない。だってきっと川口先輩以上に優しくてかっこいい人なんて他にいないから___。
でも、同じ部活の中で一緒に練習できたりたくさん話せている関係なのに、告白して振られてしまったら、気まずくなって優しい川口先輩は私に気を遣って居心地悪くなってしまうだろう。そんなのは絶対に嫌だった。そう伝えると、たしかにと三人とも頷いた。
そして、川口先輩との恋バナをして散々冷やかされながら教室に着く。川口先輩と玲衣奈とは同じ演劇部の仲間でもあり、玲衣奈は、当然、私が川口先輩に片思いしていることも知っていて誰よりも応援してくれている。玲衣奈は部活中に私と川口先輩が話せたり距離が近かった時は「良かったじゃん!」とすごく喜んでくれるのだ。
川口先輩は高校3年生で私は高校1年生で3歳差だ。川口先輩はいわゆるクール系なタイプで穏やかな性格だ。部活中も怒ったところは一度も見たことがなく、優しく指導してくれて面倒見の良い先輩だ。そんな川口先輩を上回るぐらいの優しい人はこの世界にはいないと思うし、この先他に好きな人ができたとしても川口先輩以上には好きになれないと思う。
そう思いながら席に着くと、隣には茶髪のいかにも一軍という雰囲気の男子が座っていた。「うわ。苦手なタイプだ。絶対仲良くなれない。」と思いげんなりしていると、紗良と華菜と玲衣奈が口をあんぐり開けてこっちを見ていた。不思議に思いながら席に着く。
「玲衣奈ーーー!おはよう!クラス替え緊張するんだけど!」
「だね!ぼっちだったらどうしよう・・・」
不安がる玲衣奈の前であたかも全く不安じゃないみたいな顔をして隣を歩く。もうすぐ校門だ。
玲衣奈は人一倍ネガティブだし不安症な方だ。でも、人一倍優しく、喧嘩しても絶対に先に謝ってくれる。控えめな性格だが、お互い趣味がヲタクということもあって話が合うし一緒にいて楽しい。そして、私の秘密はなんでも知っていると言っても過言ではないぐらいの親友だ。
玲衣奈との友情は並大抵のことでは崩れないと思っている。
「あ!紙貼ってあるよ!あれクラス替えの紙じゃない?!」校門入ってすぐの掲示板にクラス替えの一覧表が貼ってあった。大勢群がっているが人を避けながら目を凝らして自分の名前を探す。すると一列目にいた、去年クラスメイトだった紗良が振り向き私を呼ぶ。
「あ!ゆーーらー!同クラだったよ!よろしく!」
「ほんとっ?!良かったー!何組?」
「三組!!玲衣奈も一緒だよ!」
『良かった〜!』とハモる私と玲衣奈。
「ハモってるし。(笑) さすが仲良しコンビ!」
同じクラスになった私と玲衣奈、そして紗良と、隣にいた同じく去年も同じクラスだった華菜の四人は並んで歩き、新しいクラスにどんなメンツがいたかで話が盛り上がった。
「あ、三組にあいついるよね!!華菜!」といきなり食い気味になる紗良。
「そうそう、クラス替えで女子がみんな1番気にしてるのはそこだよね!ま、私は彼氏いるからあんまり興味ないけど。」と少し自慢げな華菜。
「だれ?やなやつ?」
『新谷秋也だよ!!』とハモる紗良と華菜。
でも、聞いてもやはり知らない私。
「話したことない人だ。玲衣奈知ってる?」
「うん。去年同じクラスだった。すごいモテる人だよね。」と知っている様子の玲衣奈。玲衣奈とは中学の時から仲良しだが、去年は違うクラスだった。私の通っている高校は、中学からエスカレーター式でよっぽどひどい成績でなければ付属の高校に上がれる。
「新谷秋也は女子が一度は必ず好きになると言っても過言ではないよね。」となぜかしみじみと言う紗良。
モテる人か。しかも女子が一度は好きになるって相当かっこいいんだろうな。じゃあ三組に決まった女子は大喜びって感じか。でも私には関係ないな、だって私には本気で片想いしている相手がいる___。
「柚桜も新谷のこと好きになっちゃうかも?!」とニヤニヤした顔で紗良と華菜が見てくる。
「私はないよ。川口先輩一筋だから!それに同い年はない派ー」と反論。
「その先輩って入部して早々一目惚れしたんだっけ?まだ好きなんだ!」と紗良。
「部活に毎日欠かさず顔出しているのも川口先輩に会えるからだもんね。私もそれに付き合わされてるよー(笑)」と同じ部活の玲衣奈。
「告白はしないの?」と紗良。
「しないしない!だってもし振られたら気まずくなるし今の関係のままがいい。」
「えー!ライバルとかいたらどうするの?!」
ライバル。川口先輩はクールなタイプでフレンドリーではないし、モテているタイプではないけど、もしかしたら川口先輩のことを好きな人が1人ぐらいいてもおかしくはない。だってきっと川口先輩以上に優しくてかっこいい人なんて他にいないから___。
でも、同じ部活の中で一緒に練習できたりたくさん話せている関係なのに、告白して振られてしまったら、気まずくなって優しい川口先輩は私に気を遣って居心地悪くなってしまうだろう。そんなのは絶対に嫌だった。そう伝えると、たしかにと三人とも頷いた。
そして、川口先輩との恋バナをして散々冷やかされながら教室に着く。川口先輩と玲衣奈とは同じ演劇部の仲間でもあり、玲衣奈は、当然、私が川口先輩に片思いしていることも知っていて誰よりも応援してくれている。玲衣奈は部活中に私と川口先輩が話せたり距離が近かった時は「良かったじゃん!」とすごく喜んでくれるのだ。
川口先輩は高校3年生で私は高校1年生で3歳差だ。川口先輩はいわゆるクール系なタイプで穏やかな性格だ。部活中も怒ったところは一度も見たことがなく、優しく指導してくれて面倒見の良い先輩だ。そんな川口先輩を上回るぐらいの優しい人はこの世界にはいないと思うし、この先他に好きな人ができたとしても川口先輩以上には好きになれないと思う。
そう思いながら席に着くと、隣には茶髪のいかにも一軍という雰囲気の男子が座っていた。「うわ。苦手なタイプだ。絶対仲良くなれない。」と思いげんなりしていると、紗良と華菜と玲衣奈が口をあんぐり開けてこっちを見ていた。不思議に思いながら席に着く。